既成概念を覆せ! 革命を描いた勇気と希望の映画5選!
あらゆる常識を超えて空高く飛べ!『アメリア 永遠の翼』
リンドバーグの大西洋単独飛行から5年、史上二人目となる同ルート単独横断を成し遂げた女性飛行士アメリア・イアハート。本作は、アメリカの魂ともいうべき冒険心を象徴する存在となったこの偉人を、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)で主演女優賞に輝いたヒラリー・スワンクが演じるだけでなく、自らエグゼクティブ・プロデューサーとなって結実させた一作。ショートカットと颯爽としたパンツルックで人々に「周囲から不可能と言われても決して諦めないで!」と語りかけ、大恐慌時代の1930代を生きる女性たちの社会進出を全力で後押した彼女の影響力は計り知れない。 内面から役になりきったスワンクは、アメリアが遺した名言を力強く口にする。いわく、たとえ自分の心が恐怖で覆われても、そこから逃げ出さず、しっかりと向き合い克服することこそ重要なのだ、と。そうした日々の努力によって常識は打ち破られ、不可能は可能となり、数々の偉業が打ち立てられていったのだ。彼女にとって飛ぶことが、何事にも束縛されず、世の中の取るに足らない固定観念を軽やかに超えていく行為であったことが深く伝わる力作である。
史上最低監督の情熱あふれる生き様を見よ!『エド・ウッド』
主人公は映画好きの人なら誰もが一度や二度聞き覚えのある、実在した映画監督。エドはいつもとびきりの映画愛に包まれていた。新作の企画を熱っぽく語っては周囲を魅了し、いざ撮影がはじまると良いテイクも悪いテイクもお構いなしで、全てを猛スピードで撮り上げる。そうやって完成した映画は誰もが「こりゃ一体なんだ!?」と首を傾げてしまうほどひどいシロモノばかり。いつしか彼は「史上最低の映画監督」と呼ばれるようになっていく。 はたして彼はハリウッドに散った人生の敗者だったのか? いや、ティム・バートンとジョニー・デップが本作に込めた敬意と愛情を見ても分かるとおり、このエド・ウッドという奇才は、誰とも比べようのない唯一無二の境地を極めた奇跡的な人間だ。決してあきらめない。妥協しない。新作プレミアで罵声を浴びたり物を投げつけられても、彼は変わらぬ情熱と笑顔で映画を作り続けた。それはもはや一つの輝かしい才能だ。本作は史上最低どころか、見方次第では史上最高とも言いうる、愛すべき男の物語である。