最高級リムジンのプレゼントつき、訪朝して金正恩を歓喜させたプーチン、「ユーラシアの枢軸」形成に大きな布石
■ ロシア・中国・イラン、そして北朝鮮による「枢軸」 こうして慌ただしい日程を終えたプーチン大統領は、次の訪問先のベトナムへと去っていった。 おそらく今後、北朝鮮はこれまで以上に「ロシア向け武器生産基地」と化し、ロシアもこれまで以上に、北朝鮮に先端軍事技術を提供するだろう。そして、ウクライナ戦争が停戦した暁には、北朝鮮の大量の労働者が「占領地」のインフラ建設に動員されるに違いない。 ロシアが見据えているのは、前述のロシア・中国・イラン・北朝鮮という「ユーラシアの枢軸」と思われる。平たく言えば、「皆でアメリカに対抗していこう」ということだ。 今後は、中国の出方を注視する必要があるが、ともあれ「アメリカへの牽制」という意味では、大いに存在感を示したプーチン大統領の訪朝だった。岸田文雄首相は、そんな渦中の国を訪問する意欲を見せるが、成果を挙げるハードルは、また一つ上がったのではなかろうか。
近藤 大介