最高級リムジンのプレゼントつき、訪朝して金正恩を歓喜させたプーチン、「ユーラシアの枢軸」形成に大きな布石
■ 日本を「悪玉」に仕立て上げたプーチンの署名原稿 訪朝に先がけ、6月18日付の朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』は、プーチン大統領の長文の署名原稿を、1面トップで掲載した。プライド高い同紙が外国首脳の署名記事をトップに持ってくるなど、極めて異例の措置だ。 その署名原稿は、読んでいてあまり気分のよいものではなかった。なぜなら、冒頭から日本を敵視している、というか日本を「ロ朝友好」のダシに使っているからだ。そして北朝鮮に対しても、いささか「上から目線」の論調だった。非常に長文なので、以下、冒頭のみ訳す。 <朝鮮民主主義人民共和国に対する国賓訪問を行う前に、私は両国の同伴者的な関係の展望と、それが現在の世界で持つ意義について、朝鮮と海外の『労働新聞』読者に向けて話したい。 平等と相互尊重、信頼の原則をもとにしたロシアと朝鮮民主主義人民共和国の間の親善と善隣の関係は、70年が過ぎた。栄光ある歴史的な伝統で守られてきたのだ。 両国の国民は、日本軍国主義に反対する苦難の闘争という共通の追憶を、厳かに受け継いでおり、犠牲となった英雄たちに敬意を表したい。 1945年8月、ソ連軍は朝鮮の愛国者たちとともに、肩を折って戦いながら、(日本の)関東軍を撃滅し、植民地主義者から朝鮮半島を解放した。朝鮮国民の前に自主的で独立した発展の道を開いたのだ。 紅い軍隊の朝鮮解放を記念して、1946年に平壌の中心に牡丹峰の記念碑が建設された。それはまさに、両国民の戦闘的な友誼の象徴となっているのだ。 ソ連は世界で初めて、建国した朝鮮民主主義人民共和国を承認し、朝鮮と外交関係を結んだのだ。 1949年3月17日、朝鮮民主主義人民共和国を創建された金日成同志が、モスクワを初めて訪問され、ソ連と朝鮮民主主義人民共和国は、経済的及び文化的協調に関する協定を締結した。その協定は、将来的に相互協調を強化させるにあたり、法的な基礎となるものだった。 わが国は朝鮮の勃興する民族経済を作り上げ、保健制度を設立し、科学教育を発展させ、行政と技術の専門幹部を養成する業務を手助けした。 1950年から1953年まで、朝鮮解放戦争の困難な時期にも、ソ連は朝鮮民主主義人民共和国の国民に支援の手を差し伸べた。そして自主のための朝鮮国民の闘争を支持したのだ。 かつその後に設立された朝鮮の国民経済を復旧強化し、平和的な生活を成し遂げる業務に大きな協力を行ったのだ……> このように、ソ連(ロシア)が「悪の日本」を退治してやり、北朝鮮の建国に尽力し、発展させてやったと、改めて北朝鮮側に知らしめる「恩着せがましい」内容だ。実際に北朝鮮という国は、ソ連が金成柱(キム・ソンジュ)というロシア極東にいた無名の朝鮮人青年に「金日成将軍」という名を与えて成立させた傀儡(かいらい)国家なので、プーチン大統領の発言に誇張はないのだが。