【MotoGP】巻き添え転倒のクアルタラロ、スチュワードの対応に不満「レース経験がない人と話している感じ」
ヤマハのファビオ・クアルタラロは、MotoGPイタリアGPのスプリントを巻き添えを食う形で転倒リタイアを喫した。彼はレース後スチュワードのもとを訪れたが、その対応にかなり不満を感じたようだ。 【リザルト】MotoGP第7戦イタリアGP:スプリント結果 クアルタラロはスプリントレース2周目、ターン10でインに飛び込んできたミゲル・オリベイラ(トラックハウス)の転倒に巻き込まれる形でクラッシュを喫してしまった。 この件はレーシングインシデントだと裁定され、オリベイラはお咎めなしだったが、クアルタラロはレース後にスチュワードの見解を求めに向かった。 しかしクアルタラロはスッキリするどころか、スチュワードがその仕事をこなしていないと感じたようだ。 「僕は少しでも説明してもらうために彼らのところに話に行ったんだけど、壁に向かって話しているようなもので、何も言ってくれなかった」 「来たときよりも混乱して出てくることになったよ。レースをしたことない人と話しているみたいで悲しかった。もっと彼らを熟練させなくてはいけないと思う」 クアルタラロは、オリベイラがミスしてしまったこと自体には納得しており、彼にペナルティを科すようスチュワードを説得するつもりはなかったと説明。しかし彼は、スチュワードの裁定に矛盾を感じていることを指摘し、トラック上でのインシデントに対する今後の対応について改善を求めた。 「スチュワードに会いたかったのは、ミゲルにペナルティを科すためではない。彼らに、良い仕事ができていないことを認識させるためだった」 「僕は彼(オリベイラ)にロングラップや3グリッド降格ペナルティを科すためにここにいるわけではない。ミゲルはミスを犯したが、それは起こりうることだ」 「僕にも起こったことだし、その時アレイシ(エスパルガロ/アプリリア)は転倒しなかったけど、僕にロングラップペナルティが科せられた」 クアルタラロが言及したエスパルガロとの一件は、おそらく2022年オランダGPのことだろう。クアルタラロがエスパルガロのインに飛び込んだが、フロントのグリップを失ってそのままエスパルガロに突っ込むような形となり、クアルタラロはリタイア。エスパルガロは転倒こそ免れたが、大きくポジションを落とした。 この接触を受けて、当時スチュワードは次戦イギリスGPでクアルタラロにロングラップペナルティを科した。当時のクアルタラロは、エスパルガロやフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とタイトル争いを演じていただけに、痛いペナルティだった。 「僕から見て、彼らは素晴らしい仕事ができていない」と、クアルタラロは断じた。 「今回はレーシングインシデントだとされたけど、僕がやったときは楽観的すぎるオーバーテイクだと言われた。彼らは言葉遊びをしているんだ」 「さっきも言ったように、僕はミゲルにペナルティを与えたくない。ただ僕がチャンピオンシップを争っている時にこんなことが起きて、誰かがペナルティを受けないとしたら、話は別だ。僕たちはただ、それを認識させたかったんだ」 「今は複雑な心境だ。レースのデータはないし、今回は僕がポイントを獲得できそうだったわけでもない」 「ただシステムの機能の仕方についてどう改善していくか疑問があった。その点で今週末は何のステップも踏んでいない」
Rachit Thukral