【ラグビー】プレミアシップの7クラブが債務超過。英紙ガーディアンが報道。
10のラグビーユニオンクラブで構成されるイングランド・プレミアシップのうち7つのクラブが債務超過状態にある、と英紙ガーディアンが9月25日に報じている。 2022-23シーズンは13クラブでスタートしたプレミアシップだが、ワスプス、ウスター・ウォーリアーズ、ロンドン・アイリッシュが破産したことで翌2023-24シーズンは10チームによるコンペティションとなってしまった。 イギリスの大手企業再生・倒産処理会社のレナード・カーティス社による、プレミアシップクラブの財政的持続可能性に関する調査をまとめた「ラグビーファイナンスレポート2024」をもとにしたガーディアンズの報道によると、裕福なオーナーの支援なしに運営可能なクラブはレスター、ノーサンプトン、グロースターの3クラブのみだという。 残りの7クラブはバランスシート(賃借対照表)上の負債が資産を上回る債務超過の状態にあることがわかった。2022-23シーズンの損益は、全10クラブが赤字で総額3,049万ポンド(1ポンド190円換算で約57.9億円)にのぼる。 収益が最も多いクラブは2,681万ポンド(約50.9億円)のハーレクインズだが、当期は361万ポンド(約6.9億円)の赤字で、バランスシート上でも482万ポンド(約9.2億円)の債務超過にある。 最も大きい負債、6,081万ポンド(約115.5億円)を抱えているのがブリストルで、最少のエクセターでも1,557万ポンド(約29.6億円)の負債がある。 レポートのイントロダクションで登場するジェームス・ハスケル氏(イングランド代表77キャップ、B&Iライオンズ4キャップ、元ワスプス、元ノーサンプトン)はラグビーの現状は“プロフェッショナル”にはほど遠いと述べている。 「抜本的な改革が起こらない限り、ラグビーが将来的に立ち行かなくなることは明らかだ」 レポートではプレミアシップの2024-25シーズンの放映権契約が年額3,300万ポンド(約62.7億円)に対し、フランス・TOP14とプロD2の年平均の放映権料が約1億4,000万ユーロ(1ユーロ160円換算で約224億円)と伝えている。 ハスケル氏はイングランドでは放送契約数が減少している一方で、フランスでは増加傾向にあることを指摘。自身がプロフェッショナルキャリアを築いたラグビーというスポーツの魅力を改めて訴えたうえで、「ラグビーは適切に運営され、販売されない限り、この先何年も眠れる巨人のままだろう」と締めくくった。