「高タンパク・低脂質のドッグフード」…原料は「食害魚」 環境改善や漁師の収入アップにも
RKB毎日放送
「アイゴ」や「イスズミ」という魚をご存知でしょうか?海藻を食い荒らし、磯焼けの一因ともなっている海の厄介者です。 【写真で見る】「厄介者」の魚が「犬の健康を守る宝物に」 独特の磯臭さのため、食用としては流通していないこれらの魚を活用したドッグフードが開発されました。 福岡市のスタートアップ企業が開発したこのドッグフード、ワンちゃんたちの「食いつき」もいいとのことで、9月1日に発売されます。 ■「厄介者」の魚が「犬の健康を守る宝物に」 スタートアップ企業「オーシャンリペア」 光斎翔貴 社長(立命館大学准教授)「『海の厄介者』と言われていたイスズミなどが、もしかしたら犬の健康を守る宝物に生まれ変わるような可能性があるんじゃないかなと、そこでドッグフードを開発したわけです」 福岡市で商品発表会を開いたのは、立命館大学発のスタートアップ企業「オーシャンリペア」です。 食用として流通しない魚を使ったドッグフードを開発・販売する会社で、今年2月に福岡市で起業しました。 オーシャンリペア 光斎翔貴(こうさい・しょうき)社長(立命館大学准教授)「『オーシャンハーベスト』というドッグフード。イスズミとアイゴという2種類の魚をベースにして作られた白身魚のドッグフードとなっています。アイゴとイスズミという魚は海の中にある藻を食べてしまう食害魚と言われている。『磯焼け』という問題を引き起こしている点からもイスズミとアイゴを、より積極的に利用しようと考えています」 ■「磯焼け」に拍車をかける「食害魚」 今、全国の海で問題となっている「磯焼け」。その原因の一つが海藻を食べるアイゴやイスズミといった「食害魚」です。 長崎県の対馬周辺の海ではこれらの食害魚が海藻を食べ尽くして、藻場が焼け野原のようになり、サザエやアワビが少なくなっています。 アイゴやイスズミは磯臭さが強いため食用としては流通せず、定置網にかかっても放流されるため数が減っていないのです。 ■「食害魚」を食べてみると… 水産物仲卸「白水商店」 原一仁 社長 「これはイスズミの刺身になります」