自治体トップが相次ぎ辞職 “脱ハラ”に向け条例制定を目指す 岐阜
今年、この地方では、ハラスメントが原因で、自治体のトップが相次いで辞職しました。岐阜県では今、地方議員や役場の職員が、ハラスメントをなくそうと条例制定に向けた準備を進めています。 【動画】“脱ハラ”へ…条例制定に向けた動き 「議会内における議員間や職員へのハラスメントを根絶するための措置を講じたハラスメント防止条例の制定を提案いたしますので、議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします」(各務原市議会 古川明美 議員) 6月3日。岐阜県各務原市の議会で提案されたのは、ハラスメント防止条例です。 議員同士、あるいは、議員から職員へのハラスメントを想定し、被害の申し出があった場合、議長に事実関係の調査を義務付けています。 提案したのは、少数会派の古川明美議員です。 「ボディータッチや『女のくせに』みたいな分かりやすいものではないが、(議会)全体の中で少数派をいじめてもいいような空気が蔓延しているというのは、私は議員になったときからずっと感じている。どんな立場であっても自分らしく議員として働けるように、今の問題点が分かるように見える化していきたい」(古川明美 議員) 過去に男性議員からハラスメントともとれる言動を受けたといい、議会でも、自身の経験を話しました。 「私は尊厳を傷つけられるような体験を重ねてきました。例えば『あなたは国語力がなさすぎる』『マニュアルを作ってあげないとあなたは理解できない』と発言をされたり、新人議員の頃には人前で手を握られたまま対話を求められたこともあります」(古川明美 議員)
「きっといろんな自治体でも同じようなことが」
岐阜県では今年、女性職員へのセクハラが第三者委員会に認定されたことを受けて、岐南町と池田町で町長が相次ぎ辞職。 美濃加茂市でも、議員が姉妹都市の外国人女性に不適切な行為をしたことが問題となりました。 「これはきっといろんな自治体でも同じようなことがあるんだと感じて。やはり健全ではないと思うのでそこは正していきたい」(古川明美 議員) 24日に開かれた総務委員会では、条例制定にすべての委員が賛成しましたが、内容を検討するべきとの声が上がりました。 「ハラスメント以外に呈すべき議員の倫理的な言論もあると思う。例えば議場における発言や、誹謗中傷ともとれるSNSの発信など。時間をかけて議員としての倫理を規定する総合的な条例を考えていくべき」(各務原市議会 大竹大輔 議員) 委員会の結果を受けて、27日行われた採決。内容を精査するため、継続審査となり条例案を再度検討することとなりました。 「議員が対等であり、互いに尊重しあうことが本当の意味で実現できるような議論の上での条例制定にならなければ意味がないと思う。私たち1人1人が自分の発言などを律して、お互いに尊重しあえる議会を作っていくという風になればいいなと思う」(古川明美 議員)