無印良品のブランド新戦略とは?全国から精鋭スタッフが集まった代官山の新店舗
商品そのものが主役になる店舗づくり
店舗のデザインは、什器やインテリアではなく、商品そのものが主役となる空間を演出。 円形モチーフのテーブルが柔らかく繋がりを演出し、来店客が商品と向き合えるようなデザインで作り上げたという。 BGMにも工夫を凝らし、生産現場の機織り機の音や化粧水の原料になる天然水の滴る音などを取り入れることで、無印良品のものづくりをより親密感を感じられる店舗作りを目指している。店舗デザインにもグローバルで活躍するクリエイターが関わっているが、クリエイターの名前そのものを付加価値として全面的に出すことはしていない。 MUJI Laboの「婦人 カシミア混ノーカラーコート」2万4900円、「婦人 リヨセルシルクリブタンクトップ」1990円、「婦人 ジャージープリーツスカート」5990円 MUJI Laboの「紳士 カシミア混ダッフルコート」2万9900円、「紳士 カシミヤ混ジャケット」2万4900円、「紳士 ウール混レギュラーカラーシャツ」7990円、「紳士 カシミア混ダッフルコート」1万2900円。いずれもカラーはライトグレー
ストーリー性やこだわりの素材について語れるスタッフを全国から有志を募って選抜配属
無印良品のファッションアイテムのイメージは、オーガニックコットンのカットソーやガーゼ素材のパジャマなど、肌や自然環境にやさしい、カジュアルファッションのイメージを持つ人が多いと思う。しかし、この日登壇した山本氏をはじめ、スタッフも着用しているMUJI Laboは、ラインがゆるやかなシンプルシックでビジネスカジュアルが特徴だ。 渋谷区において比較的年齢層が高い代官山の街の中でも、ショップも調和している。 価格帯は最も高いカシミヤ混のジャケットやコートで2万9900円で、近隣店舗商品の半額以下。代官山で買い物することに慣れた人にとってはかなりの割安感があるだろう。これまでのMUJI Laboは東京ミッドタウン六本木店の入口横など、既存店舗内での展開で、自社内製品との価格比較があったが、単独店舗になり、MUJI Laboだけの店舗になることでそのストーリー性やこだわりにフォーカスすることができる。それを補強すべく、全国の店舗から有志スタッフを募り、選抜メンバーが接客。オフライン店舗の魅力を最大限に発揮する体制をとっている。 店舗名は、「MUJI Labo」ではなく、「無印良品 代官山」。準備の都合から1か月後になるが、隣接する区画にはコスメ類などを中心に生活雑貨を扱う区画もオープン予定だ。 「今後も無印良品の開発の軸として大量生産・大量消費の世の中に立ち向かい、ブランドの呪縛から開放され、顧客それぞれの個性が輝くような商品を提供したい」と山本氏は展望を語る。 取材・文/北本祐子
@DIME編集部