50歳代独身「貯蓄3000万円以上」約1割が達成も、65歳以上シニア世帯が「年36万円」近く赤字の実態
【厚生年金と国民年金】男女別・平均受給月額はいくら?
次に、シニア生活の収入の柱とも言える公的年金について確認しましょう。 ●3.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均受給月額 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●3.2 厚生年金の平均受給月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台となりました。 しかし、実際には年金の加入状況により、将来受け取る受給額が異なります。 とくに厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、男女比が生じています。ライフイベントによって働き方が左右されることの多い女性は、男性に比べて平均月額が約6万円も低くなっています。 次の章からは、2024年度の最新の年金額例や、60歳代の国民年金・厚生年金の平均月額をチェックします。
【2024年度】最新の年金収入モデル:夫婦で「23万483円」
年金額は毎年度改定されます。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。 ●2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額 ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円) ・厚生年金※:23万483円(+6001円) ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。 厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。例示されているのが夫婦での年金額であることに注意する必要があるでしょう。
【年齢別】年金一覧表で60歳代シニアの平均受給月額をチェック
それでは、シニアの入口ともいえる60歳代の平均年金受給額を一覧表で確認しましょう。 厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60歳代が2022年度末時点で実際に受給している年金の平均額は次のとおりです。 ●【60歳代】厚生年金の受給権者数と平均月額 ・60歳:9万4853円 ・61歳:9万1675円 ・62歳:6万1942円 ・63歳:6万4514円 ・64歳:7万9536円 ・65歳:14万3504円 ・66歳:14万6891円 ・67歳:14万5757円 ・68歳:14万3898円 ・69歳:14万1881円 ※国民年金を含む 65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。 一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、年齢があがるにつれ平均月額が上がっています。平均で月額14~16万円台となっていることがわかるでしょう。 ●【60歳代】国民年金の受給権者数と平均月額 ・60歳:4万2616円 ・61歳:4万1420円 ・62歳:4万3513円 ・63歳:4万3711円 ・64歳:4万4352円 ・65歳:5万8070円 ・66歳:5万8012円 ・67歳:5万7924円 ・68歳:5万7722円 ・69歳:5万7515円 65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となっているため受給額は低いです。 65歳以降でみると、平均で月5万円台となりました。厚生年金ほどには年齢差がないようです。 年金はシニア生活の収入の柱といえますが、一本で生活費すべてをまかなうのはやや厳しいかもしれません。多くの方が貯蓄を切り崩しての老後生活となるとわかります。 次の章からは「65歳以上の夫婦のみ無職世帯」の家計を見ていきましょう。