日本一行きにくい!? 福岡県宗像市の離島にセレクトショップが開店
福岡県宗像市の大島にセレクトショップ「OMISEYA SUN(おみせやさん)」がオープンしました。「日本一行きにくいセレクトショップ」を掲げる店の”オーナー”は、やまざきたかゆきさん。本田技術研究所のデザイナーを経て、現在は自動車を軸とする工業デザインのほか、ファッションや企業コンサルティングなど幅広い分野で活躍中です。なぜ見知らぬ離島でショップを開くことに? 話を聞きに店を訪ねました。 【画像】セレクトショップ「OMISEYA SUN」
【大島】 宗像市・神湊港の沖6.5キロに位置する周囲15キロほどの島で、540人(2024年4月末時点)が暮らしている。世界文化遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を構成する「宗像大社中津宮」などがある。神湊港からフェリーで20分ほどで到着し、世界遺産の見学、釣りや乗馬が楽しめる。
やまざきたかゆきさんの店
ショップがあるのは、旧大島村役場の建物を改修したシェアスペース「umiba」の3階です。書庫だった広さ約30平方メートルの部屋に玉砂利を敷き詰め、おしゃれにリフォームした空間に、大手模型メーカー「タミヤ」のラジオコントロールカーや四輪駆動車の模型「ミニ四駆」、ステッカーなどを並べて販売しています。
「大島で何かやろう」「日本一行きにくいセレクトショップなんて、おもしろそうじゃない」――。始まりは、そんな知人との会話でした。 宗像市の地域活性化に向けた取り組みに投資する会社「ローカルツーリズム」(福岡市)の代表取締役・糀屋総一朗さんとのやりとりから2年ほどかけ、構想は「OMISEYA SUN」としてカタチになりました。 やまざきさんの活動拠点は東京で、大島とのゆかりはありません。糀屋さんに誘われて島を訪れてみると、「身近に海と山があっておもしろく、想像以上に子どもたちがいた」と振り返ります。糀屋さんの地域活性化への思いに共感し、セレクトショップの開設に挑むことになりました。
ラジオコントロールカーや模型との出合いが、やまざきさんの原点。作ったり修理したり、夢中になった体験が車やバイク、工業製品をデザインする仕事につながり、ホンダのバイク「ZOOMER」などのヒット商品を生み出しました。少年時代にいじっていたのは、いつもタミヤの商品だったといい、「今の自分があるのはタミヤのおかげ」と笑顔をみせます。