トヨタは負債“20兆円超”…「儲かっている企業」ほどあえて借金をする理由【税理士が解説】
「借りられる」という強みを活かす
借金についてもう1つ重要なのは、誰でも借りられるわけではないということです。 金融機関からの借金には信用を踏まえた審査があり、業績などが悪ければ借りられません。 逆に、信用がある企業は金融機関のほうから「借りてくれないか」と声がかかることもあり、低金利で借りることもできます。 低金利で借りられれば資金調達のコストが安くなりますので、投資で得る収益も大きくなります。 つまり安く借りられることも、借金できることも企業の強みであり、その強みを持つ企業だけが、時間を買ったりレバレッジによって収益を最大化したりすることもできるのです。 また、業績は常に変わります。来年は業績が落ち、借りられる金額が減ったり金利が上がったりする可能性があります。 そう考えると、強みを活かすためには借りられるときに借りておくことも大事です。 すぐに着手したい新規事業案がなくても、「備えあれば憂いなし」で、手元に資金を置いておけばいつでも投資できます。 株や不動産などに変えれば運用で増やすこともでき、複数の資産に分散することで資産管理の安定性を高めることにもつながります。 このような効果を得るためにも、借金は悪という意識を変えることが重要です。 菅原 由一 SMG税理士事務所 代表税理士 YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』運営
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