「クラランス」のブランド責任者が語る、70年間継承する価値観と絶え間ない革新
ベレニ:「クラランス」は絶え間ない革新を重視しており、常に商品の改良に取り組んでいる。今回の“フィックス メイクアップ”のリニューアルではスキンケア成分を97%配合。長時間保湿し、潤った艶のある肌をかなえる。また、自然由来成分の割合を94%まで高め、アルプスの自社農園で栽培したアルペンローズ エキスを配合した。乾燥などの外的ストレスから肌を守りながら、メイクを24時間フィックスするなど機能を向上した。
WWD:パッケージはどう変わった?
ベレニ:ボトルにリサイクルガラスを40%使用した。また、キャップに再生プラスチックを使用し、それ自体もリサイクルできるように改良した。「クラランス」は商品だけでなく、環境に配慮したパッケージの開発にもこだわっている。4月にリニューアルしたボディー用美容液“ボディ フィット アクティヴ”(200mL、1万450円)はチューブの47%に再生プラスチックを使用し、キャップも軽量化。それにより年間6トンのプラスチック使用量を削減した。
WWD:パッケージ開発の取り組みは?
ベレニ:25年までに、全ての商品が何らかの形でリサイクル可能あるいは詰め替え可能、再利用可能な状態を目指す。23年の段階で、商品の30%はパッケージに再生素材を使用している。25年には、使用率を50%に向上させる目標だ。
また現在、商品の70%はパッケージがリサイクル可能だ。リサイクル可能にするには単一素材でつくる必要があるが、メイクアップ商品はボトルやキャップ、スポイトなどさまざまなパーツがあるため単一素材にするのが難しい。25年までに、リサイクル可能な商品の割合を限りなく100%に近づける目標を掲げている。スキンケアは、25年までに全商品のパッケージをリサイクル可能にする予定だ。
WWD:リニューアル前の旧商品はどのように取り扱う?
ベレニ:全世界のアウトレットチェーンで販売する。あるいは、団体や協会などに寄付する。フランスの法律でも定められており、決して廃棄することはない。