「クラランス」のブランド責任者が語る、70年間継承する価値観と絶え間ない革新
創設者の価値観を70年間継承
WWD:「クラランス」70年の歴史をどのように振り返る?
ベレニ:「クラランス」は3代に渡る同族経営で、“女性の声に耳を傾け、最高の商品効果を提供する”という価値観を貫いてきた。商品開発とともに、商品の効果を最大限発揮するための使い方を開発し、美容部員に伝授してきた。創設者の価値観を70年間も忠実に守り、継承してきたブランドは世界でも数少ない。
WWD:世界でのビジネス展開は?
ベレニ:150カ国で販売しており、子会社が28社ある。売り上げは1位が中国で、アメリカとフランスが続く。中国とアメリカは大きなスキンケア市場で、高品質の商品を強く求めている。また、ヨーロッパでは絶対的な認知度を誇る。
WWD:コロナ前後の商況は?
ベレニ:2020~21年のコロナ禍は業績が落ちたが、23年度はコロナ禍前の19年度と比べて20%成長した。想定より早く回復できたのは、ロイヤル顧客が多いことや商品の品質の高さが要因だと考えている。エイジングケア美容液“ダブル セーラム”や、唇をケアしながら色味を与える“リップコンフォートオイル”など、ほかのブランドに類似品がないような商品を多く生み出していることが好結果につながった。現在は、ボディーを含むスキンケアの売り上げが90%を占めているが、成長率はメイクアップの方が大きい。「クラランス」は女性の肌を守るためのメイクアップ商品を提案してきた。今後もスキンケア成分を配合したメイクアップ商品を積極的に開発し、販売していく。
WWD:好調な商品は?
ベレニ:どの国でも“ダブル セーラム”が最も売れている。今年、同商品のコンシューマーテストを初めて日本で行う予定だ。日本は要求のレベルが高く、フランスにとって重要な市場と捉えている。
ベストセラー“フィックス メイクアップ”を6年ぶりにリニューアル
WWD:08年に誕生した“フィックス メイクアップ”を6年ぶりにリニューアルする経緯は?