「ママが2人いることは息子もわかっている」…元宝塚トップ・瀬奈じゅん、特別養子縁組で迎えた我が子への“真実告知”
――瀬奈さんと千田さんが同じ熱量で特別養子縁組に取り組んでいらっしゃったんだなと感じます。夫婦の熱量を合わせることは大事なことですか。 だと思いますね。実際に妊娠されている方の話を聞くと、自分はどんどん体が変化するけど。主人は何の変化もないから親になる自覚に時差があるとおっしゃっていて。でも私たちの場合は、一緒じゃないと。特別養子縁組をするにあたっては、時差があってはいけないとは思いますね。 ――著書(『ちいさな大きなたからもの』瀬奈じゅん・千田真司著(方丈社)撮影:長谷川美祈)でも書かれていますが、特別養子縁組について皆さんに伝えたいことは。 私は特別養子縁組を勧めるつもりは全くないんです。ただ、正しい知識を知っていただきたい。今、日本には4万5000人ほどのお子さんが温かい家庭で育つことができない状況にある。そういう現実を知っていただきたいなと思いますね。 私が目指しているのは、「たばこ、お酒は20歳になってから」ということをみんなが知っているのと同じぐらい、特別養子縁組の制度を当たり前のように知っていること。そして息子が大人になった時に特別視されない世の中にしていくことが私たちの活動の目的です。本を買ってくださいということではなく、正しい知識を知ってもらいたいなと思います。
■第2子を授かり4人家族へ
――今後は家族としてどのように歩んでいかれますか。 実はこのたび、第2子となる女児を授かりました。昨年8月ぐらいに生後5日目でお迎えに行って、そこからずっとずっと生活を共にしていたんですけど、先日、家庭裁判所の正式に許可が出て、正式な家族となりましたので発表させていただいたんです。 今後4人家族になって、また家族の形も変わっていくと思います。2人目を迎えたことで感じたことも発信できればいいなと思っています。 ――2人目を迎える決断をされたのは、どういう経緯だったのでしょうか。 4万5000というあまりにも多い数の中で微々たる力かもしれないけれども、それでも一人でも温かい家庭を必要としている子がいて、子どもを育てたいと思っている私たちみたいな人間がいるならば、それは素晴らしいことだと思ってもう一人迎えてもいいんじゃないかなと考えてたところにコロナがやってきました。 私たちの舞台の仕事が難しくなってきて、この先どうなるかわからない。一回あきらめたんです。息子に話は一回もしてなかったんですけれども、お友達とかに僕の家に赤ちゃんが来るんだよって言い回っていたんです。同い年の子たちの弟や妹ができた時に、すごく赤ちゃんをかわいがっていて。その姿を見た時に、あきらめてしまったけれども、コロナなんかに負けて、自分たちの信念みたいなものを曲げるのも…と思って。コロナ禍から養子縁組の件数が減っているらしいんです。そのうちの一人になれたらと思って決断しましたね。