留学生抜きで出雲4位に入った創価大、全日本大学駅伝でも「台風の目」になる予感十分…その要因は?
(スポーツライター:酒井 政人) ■ 留学生不在のレースに奮起 10月14日の出雲駅伝で今季の三大学生駅伝が幕を開けた。國學院大が5年ぶりの優勝を飾ったレース。順位以上に評価できる戦いを見せたのが4位に入った創価大だろう。 【写真】出雲駅伝、2区の区間賞に輝いた創価大・吉田響 3区を予定していたスティーブン・ムチーニ(2年)が欠場。榎木和貴監督が就任して以来、初めて留学生不在の駅伝になったが、チームは奮起した。 1区石丸惇那(3年)がトップと26秒差の10位でスタートすると、2区吉田響(4年)が凄まじかった。序盤から突っ込んで、2.5km付近で早くも2位に浮上。4km過ぎにはトップに立って、後続を引き離す。そして14秒以上のリードを奪ったのだ。 レース前日の記者会見で、「3区ムチーニでトップに立つ展開ができればなと思っています」と榎木監督は口にしていたが、2区吉田で首位を駆け抜けた。 エースたちが集った3区には当初5区を予定していた山口翔輝(1年)が抜擢された。8日前の奥球磨駅伝でも起伏のある3区で区間賞を獲得した選手。中間点付近で青学大、駒大、國學院大の集団に飲み込まれると、上り坂で引き離されて4位に転落した。それでも区間7位でまとめて、ルーキーが大役を全うした。 その後は安定したレース運びを見せる。4区吉田凌(4年)が区間4位、5区黒木陽向(3年)が区間6位、6区小暮栄輝(4年)が区間6位。後続のチームを一度も前に出すことなく、4位でフィニッシュした。 この結果に榎木監督は、「ムチーニの欠場に選手たちは落ち込むことなく、むしろ日本人だけでも『やってやろう』という強い気持ちに切り替わりました。吉田響は期待通りに走り、3区山口も最後まで粘りのある走りをしてくれた。そして黒木と小暮が三大駅伝を経験できた。ベストメンバーを組むことはできませんでしたが、すごく自信を得た試合になったと思います」と手応えを十分につかんだ様子だった。