<俳優生活40年>妹尾和夫の大学時代「デモ参加で部室与えられた」
学園祭・自らのユーモア企画で資金集めに成功
「あの芝居を俺もやりたい。けど、今の部費では設備が足りない」と思った時は、稼ぐ方法を思案。すると、うまい具合に学園祭が行われ、そこで妹尾はアトリエの壁などを真っ白にして、部員が女装して客を出迎える飲み屋「白い部屋」を出店した。 「今やから言えるけど、店で出すお酒は、高級なお酒のビンにいちばん安いお酒を入れて出したりしてね。けど、すごく店は流行って、学園祭の間だけで20万円もの利益を出しました。なんというか、こうしたユーモアが受けたのかな。1970年当時で20万円というたら大きいね」と妹尾は当時を苦笑しながら振り返る。 こうして集めたお金は、演劇に欠かせない照明器具の購入費にあてた。自分たちで稼いで、次々と自己実現を果たしていくのが本当に楽しかった。 設備も順調に整えていき、2年生で勢いにのる妹尾は次なる目標を立てた。それは、年に1回、学内の演劇部全体で行う芝居の「総合演出」の座を獲得することだった。 ■妹尾和夫(せのお・かずお)1951年11月17日大阪市大正区生まれ。20代半ばから大阪を拠点にドラマ「部長刑事」「必殺シリーズ」「暴れん坊将軍」に悪役で多数出演。現在、テレビ「せのぶら本舗」、ラジオ「とことん全力投球!!妹尾和夫です」(いずれもABC朝日放送)で活躍中。12月16、17両日に自らが主宰する劇団パロディフライの本公演「コペルニクスさん家はおとなりです。」(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)に向け、全力で稽古、指導に取り組む。