中古スマホ持参でフレンチのコース料理を提供 買取サービス周知へ期間限定でイベント開催
中古品を修理した「リファービッシュ(整備品)」のスマートフォンを取り扱う仏バックマーケットの日本法人は20日、中古スマホの買い取りサービスを開始すると発表した。知ってもらう機会にしようと、28日から30日まで東京・北参道にあるミシュラン一つ星フレンチレストラン「Sincere(シンシア)」に買い取り可能な中古スマホを持参した人に対し、2万~3万円相当のコース料理を贈るイベントを開催する。中古品流通の拡大が環境負荷の抑制効果があることを訴求するとともに、リファービッシュ市場の拡大を図る狙いがある。 ■中古品は環境に大きく貢献 バックマーケットの日本法人、バックマーケットジャパンの山口亮取締役は、「中古スマホの価値を、フランス料理を楽しむという記憶に残る体験に変えたかった」とイベントの狙いを説明する。 イベントで料理を提供するシンシアは、環境に配慮する生産者の支援などに積極的な店に贈られるミシュランの「グリーンスター」も獲得しており、コース料理は、一般的には捨てられる魚を使ったメニューなど食材の持続可能性を意識して仕上げている。 「シンシアのこうした姿勢と、バックマーケットの環境配慮の考え方がリンクした」と山口氏。同社は、中古スマホのリサイクルで廃棄物や温室効果ガスなどを大幅に削減でき、新商品の流通に比べて9割以上も環境負荷の低減効果があると分析している。 また、今回提供するコース料理の価格は、中古スマホの買い取り価格の平均値である2万~3万円相当を意識して設定したという。 ■国内では6割が保管か廃棄 「Back Market スマホ買取レストラン」と名付けられたイベントは、28~30日の3日間(午後6時半~8時半)で開催される。1日7組(14人)限定で、抽選予約制となる。買い取りに出せる中古スマホの持参が参加条件で、入店時にスマホの事前査定と本人確認を行う。予約はバックマーケットジャパンのホームページの応募フォームから行う。応募期間は20日から24日午後1時まで。 同社は、使い終わった中古スマホについて、米国では約6割が売却や譲渡などに再利用される一方、日本では約6割が保管か廃棄に回ると分析している。山口氏は「個人情報流出の懸念や買い取り店に行くのが面倒といった理由で、日本ではまだまだ買い取りサービスの利用は少ない」といい、スマホのリファービッシュ市場の開拓余地は十分にあると見込んでいる。
そうした背景から今回、同社は中古スマホの買い取りサービスを開始。伊藤忠商事グループで中古スマホの回収や修理などに強みを持つBelong(東京・港区)と協業することで、中古品の流通を促し、リファービッシュの利用を広げる考えだ。(西村利也)