新井貴浩監督(左)と藤井彰人ヘッドコーチ

　朗希にお手上げ…。広島は8日のロッテ戦（マツダ）に1―3で敗れ、連勝が「3」でストップした。 　前日7日に大瀬良のノーヒットノーランで首位浮上した勢いを、球界を代表する剛球右腕・佐々木朗の前には歯が立たなかった。2回、一死から矢野の三振振り逃げを糸口に一、二塁の好機を作り、先発投手の玉村の送りバントを処理したロッテ・佐々木朗が一塁へ悪送球。この間隙をぬって、二走・矢野が一気に本塁生還し、佐々木朗から1点を先制したまでは、流れは広島だった。 　だが「攻略」には至らず。制球も乱れることなく投げてきた敵右腕の157キロの角度のある直球と140キロ越えのフォーク、スライダーのコンビネーションの前に、6回まで3安打、9三振と見せ場らしい見せ場を作ることができなかった。 　広島の先発・玉村は5回に〝不運〟なミスから2点を失った。先頭・6番・佐藤からの連打からピンチを招くも二死までこぎつけ、あと1人で勝利投手の権利を得るところまで奮闘したが、二、三塁で迎えた荻野の三直をこの日、先発起用された三塁手の羽月が後逸。二者が返り、逆転の適時失策となった。試合後の新井貴浩監督（47）は「慣れないポジションというのはあると思う。使っているこちらが悪い」としたが、痛恨のプレーとなった。 　6回にも2番手・森浦が1点を失い、そのまま惜敗。2位・巨人が敗れ、首位転落を免れたのがせめてもの救い。球界の至宝討ちを期待した3万1706人の満員の鯉党にとっては、何とも盛り上がりに欠ける試合となった。