「マスターズ甲子園」全国切符かけ長野の高校球児OBら熱戦火ぶた
THE PAGE
長野県の高校野球OB・OGらが11月の「全国マスターズ甲子園大会」(阪神甲子園球場)を初めて目指す県大会が5日から県内各地で始まり、予想以上の盛り上がりに沸いています。OBの頑張りで、停滞する少年野球にエールを送ろうと呼び掛けたのがきっかけで実現。立ち上がったのは20代から80代までの“かつての高校球児”たちで、さっそくホームランが飛び交うなど観客を喜ばせていました。 【トーナメント表】“高校野球OBの甲子園” 長野県大会は5月5日開幕
松商学園など25チーム、8月25日に決勝
県大会は昨年発足した長野県高校野球OB連盟(池口良明会長、30校加盟)の主催で、高校別に25チームが参加。5月5日に開幕し、8月25日の決勝に向け大町市営、長野県営、松本市野球場、長野オリンピックスタジアム、綿半飯田野球場の5球場で県東北部(東北信)、県中南部(中南信)の2ブロックに分かれてトーナメント戦を進めています。
6日の大町市営球場は松商学園、岡谷南、塩尻志学館、赤穂、駒ケ根工業が登場。30代から40代を中心としたOB選手が大声で声援を送り、ストライクが入るたびに湧き上がる「ワーッ」というベンチの歓声は現役球児も顔負けの迫力。ホームランでは一斉に選手が飛び出して打者はもみくちゃに。ピッチャーも投球をきびきびこなし、キャッチャーミットに「パン」と高い音を響かせていました。
この日、同球場で塩尻志学館高OBと対戦した赤穂高OBの山岸智明(ちあき)監督(56)は、赤穂高の野球部監督の経験も。「OB会の事務局の協力もあって多くの皆さんに協力してもらい、大会参加が実現しました」と話していました。 観客は選手の家族や友人など100人以上。赤ちゃんを連れた母親や若い女性も多く、リラックスして野球を楽しんでいました。
甲子園ノーヒッター投手も観戦
大町市営球場を訪れたOB連盟の池口会長(66)=深志高OB=は「盛り上がってよかった。5日には大町岳陽高OBチームでホームランが4本も出た。年寄りもいて、けがが心配だったが、今のところその心配もない。順調なスタートです」とうれしそう。 同じく同球場を訪れた降旗英行さん(66)=安曇野市=は、1969(昭和44)年に長野県代表で甲子園に出場した松商学園のピッチャーとして、北海道の三笠高を相手にノーヒットノーランを達成し、多くの人の記憶に刻まれた選手。 降旗さんはOBたちの活躍をうれしそうに観戦しました。現役のときの活躍については「いやあ、当時はノーヒットは知っていたんですがノーランはよく分からないでね」と笑いながら、最近の野球事情について「僕らのころはストレート、カーブ、シュートぐらいの球種だったが、今はいろいろありますね」と感慨深げでした。