〝主戦場〟女子62キロで尾崎がV パリ以来4カ月ぶり復帰戦 レスリング全日本選手権
レスリングの全日本選手権第2日は20日、東京・代々木第二体育館で男女9階級が行われ、女子62キロ級でパリ五輪68キロ級銅メダルの尾崎野乃香(ののか、慶大)が決勝で竹元紫凜(しりん、京都・丹後緑風高)にテクニカルスペリオリティー勝ちし、他階級も含め4度目の優勝を果たした。 ◇ 残り2分以上を残しての貫禄勝ちで、尾崎が女子62キロ級を制した。68キロ級で銅メダルに輝いた今夏のパリ五輪から4カ月。復帰戦で意地を見せ、「出るからには優勝しないといけないというプレッシャーもあった。2024年を優勝で締めくくれたのはうれしい」と安堵(あんど)の表情だった。 「本当に出たかった」という62キロ級での代表を逃し、パリは階級を上げて臨んだ。「ジムにもいかなかった。一般人みたいになった」と笑う2カ月間の休養期間で体重が落ち、「いまは62キロ級で挑戦するのがふさわしいんじゃないかな」と今大会は〝主戦場〟でのエントリーを決めた。 10月から練習を再開。五輪前から8キロ減量し、「まだまだトップの選手と戦うには、これ以上の技術やフィジカルが必要と感じた」。当然満足はしていないが、実力者のそろった階級をしっかり勝ち切った。 金メダルを目指す28年ロサンゼルス五輪の階級はまだ決めていない。68キロ級も経験し、「感覚的には今までよりもいい」と以前と違う手応えもある。「五輪が過去になった気がする。次に向けて出発できた」。他の代表が休養を取る中、21歳はさわやかに再スタートを切った。(川峯千尋)