阪神・藤川監督 石黒にフォーク伝授 江草コーチが明かす「監督とも意見が同じ」 “新たな”ウイニングショットに
「阪神秋季キャンプ」(4日、安芸) 阪神の藤川球児監督(44)が4日、石黒佑弥投手(23)にフォークの握りを伝授した。江草仁貴2軍投手コーチ(44)とともに助言を送った指揮官は「相づちを打つくらい」と控えめだったが、右腕は「アドバイスをもらいました」と感謝。藤川監督“直伝”のフォークで来季は1軍の中継ぎ戦力となる。 新人右腕に飛躍への手掛かりを授けた。キャッチボールを終えた石黒は江草コーチからフォークの握りを教わっていた。そこに藤川監督が歩み寄った。身ぶり手ぶりを交えながら、リリースのイメージを伝えた。「江草コーチがアドバイスしているのを聞いて『そうだね』みたいな感じで相づちを打つくらい」。詳細は笑顔ではぐらかしたが、江草コーチが指導内容の一端を明かした。 「『こうやったら力が入るやろ』という話で、監督とも意見が同じだった。『これが一番いい握りやろ』と」。石黒も「たまたま監督がいて『安定するからいいよ』と付け加えてくれた。『その通りだよ』みたいなニュアンスで教えてくれたというかアドバイスをもらいました」と感謝した。 現役時代は“火の玉ストレート”が代名詞の藤川監督だったが、それを一層際立たせたのは落差のあるフォークだった。かつて“フォークの神様”と呼ばれた杉下茂氏から伝授された宝刀を、若虎にも伝えようとした。 石黒は1年目の今季、7月21日の広島戦(甲子園)で1軍デビューを果たすなど3試合に登板したが、江草コーチは課題を指摘する。「ファームでも空振りを取れるのは真っすぐしかなかった。1軍で真っすぐで空振りを取るのはしんどい。だからフォークが必要」。石黒の持ち球でもあったが「球速が遅く、落ち出すのが早かったので、バッターに見られていた」といい、握りを改良することで「空振りが取れる本当のフォークにしていく」と狙いを説明した。 早速ブルペンでも試投した石黒は「キャッチャーに聞いても、まだそんなに変化はないと言っている。決め球がないので追い込んでから確率よく投げたい」と“新たな”決め球に前向きに取り組んでいく。江草コーチは「キャンプでもっと練習していけば、来年の春にはウイニングショットとして使えるんじゃないか」と手応えをにじませた。藤川監督“直伝”のフォークで1軍のブルペンに割って入る。