アップルとアマゾン、AIへの期待で稼ぎ頭の事業好調
■ サービス事業、年換算で15兆円規模に 一方、サービス事業の売上高は前年同期から12%増の249億7200万ドル(約3兆8100億円)で、引き続き過去最高を更新した。同部門の200億ドル超えは8四半期連続で、アップルの全売上高に占める比率は26~28%で推移している。 サービス部門は、アプリ・音楽・動画配信などのコンテンツ・サブスクリプションサービスや、広告枠販売、米グーグルからの検索ライセンス収入、クラウドのサブスクサービス「iCloud」、デバイス保証サービス「AppleCare」、決済サービス「Apple Pay」など幅広い事業を展開している。米CNBCによれば、その粗利益率は74%と、アップル全体の46.2%を大きく上回る。同社のサービス部門は今や主力のiPhoneに次ぐ事業規模となっている(ドイツStatistaのインフォグラフィックス)。 アップルのCFO(最高財務責任者)であるルカ・マエストリ氏は決算説明会で「7~9月期のサービス収入は250億ドル弱となり、年換算ベースで1000億ドル(約15兆2600億円)に達した。わずか数年前を振り返ると、この成長は驚異的だ」と述べた。 ■ アップル、中国市場で苦戦 5四半期連続減収 アップルの売上高を地域別に見ると、米州が前年同期比4%増の416億6400万ドル(約6兆3600億円)、欧州が11%増の249億2400万ドル(約3兆8000億円)だった。 日本は8%増の59億2600万ドル(約9040億円)、インドなどのその他アジア太平洋地域は17%増の73億8300万ドル(約1兆1260億円)。 これに対し中国市場では苦戦が続いている。香港と台湾を含む中華圏の売上高は0.3減の150億3300万ドル(約2兆2900億円)だった。アップルにとって3番目に大きな市場である中国は24年4~6月期まで4四半期連続の減収だった。7~9月期は、横ばいと言えるほどのわずかな減収にとどまったものの、市場予想にも届かず、依然として業績の重荷となっている。 アップルは24年10月下旬に生成AIサービス、Apple Intelligenceの提供を開始した。今後は、iOSソフトウエアのアップデートを通じてAI機能を追加し、利用できる地域を増やす計画だ。これにより最新スマホ「iPhone 16」の需要を喚起する。 だが米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、現時点でApple Intelligenceを中国で提供できるメドはたっていない。中国では国外の生成AIが禁止されているからだ。アップルは同国のAI開発企業と連携する必要があるが、その具体的な進展については現状明らかになっていない。