企業のBCP『策定意向』、4年ぶりに5割に
スキル・人手・時間の3要素がBCP策定のハードルに
BCPを「策定していない」企業にその理由を尋ねたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が41.6%でトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「策定する人材を確保できない」(34.3%)、「策定する時間を確保できない」(28.4%)が続き、BCPの策定にはスキル・人手・時間の3要素が企業規模を問わず大きな障壁となっている様子がうかがえた。 一方で、「中小企業」では、「必要性を感じない」が21.0%と「大企業」より5ポイント以上高い結果となり、さらに従業員数「5人以下」の企業では、30.3%と3割を超える企業で「必要性を感じない」と捉えていた。企業からもBCPがなくても「社員が少ないため口頭で十分伝わる」(不動産、東京都)といった声が複数聞かれた。
BCPは企業価値の維持・向上の観点からも非常に重要
本調査の結果、BCPについて『策定意向あり』とする企業は4年ぶりに5割に上昇した。 企業活動を行ううえで想定するリスクとしては「自然災害」が最も多くあげられたほか、サイバー攻撃などの「情報セキュリティ上のリスク」に対する危機意識も高く表れた。また「インフラの寸断」や「設備の故障」など生活や経済活動の基盤に対するリスクを想定する企業も多い。 一方で、「スキル・ノウハウ」「人手」「時間」がないことを理由にBCPを策定していない企業も多く、これら3要素が大きな障壁になっている。 加えて、必要性を感じないという企業も一定数存在しており、行政などからのさらなる後押しによる認知度向上や理解の醸成も必要と言えよう。 BCPの策定は、事業の継続にとどまらず、企業価値の維持・向上の観点からも日頃から緊急事態に対する準備を進めることが肝要である。企業活動を行う上で、BCPを考えることは優先順位の低くなりがちな取り組みかもしれないが、自社には関係ない、必要ないとはせず、自分事(自社事)として捉え、同業他社や行政などと連携し備えていくことが非常に重要だ。
調査概要 調査対象企業:2万7,104社 有効回答企業:1万1,410社(回答率42.1%) 調査期間:2024年5月20日~5月31日 調査方法:インターネット調査