現代病の「スマホ首」を絶対に放置してはいけない理由とは? 画面を見ている時間が長すぎて、姿勢がボロボロな人必見!専門家が徹底解説
スマホやパソコンを長時間見続け、首や肩が痛む「ストレートネック」。医学専門誌『Acta Medica Academia』に掲載された2022年の論文によると大学生の73%、在宅勤務者の64.7%が同様の悩みを抱えている。この記事では現代病の一つである「ストレートネック(スマホ首)」を徹底解説する。 【動画】ストレートネックを治すためのストレッチ ※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。
ストレートネックとは?
米国の整形外科専門病院Hospital for Special Surgeryのリハビリテーション医、ジェニファー・オコンネル医学博士によると、“ストレートネック”はさまざまなデバイス(携帯電話、タブレット、ノートパソコンなど)の画面を長時間見下ろしているせいで、首と背中上部の筋肉と靭帯に負担がかかることを指す言葉。「それを補おうとする体の他の部位にも負担がかかることがあります」 オコンネル医師は人間の頭部を棒に差したボウリングのボールに例える。平均的な頭部の重さは3.5~5kgで、それを支えているのは主に筋肉。そのため、頭部が前に出た状態が長く続くと、首(頸椎)と首周辺の筋肉にかかる負担が大きくなる。この状態では「頭部を立てておくために首の後ろの筋肉が必死に働かなければなりません。それゆえに痛みが出ます」とオコンネル医師。「これは首だけでなく、脊椎全体の問題でもあります。適切な姿勢を維持するためには、脊椎のバランスが重要ですから」。そして、長期にわたり繰り返し負荷がかかると、違和感や痛みが生じるばかりか、脊椎の構造自体が変わってしまうこともある。だからこそストレートネックは、このデジタル社会を生きる現代人1人ひとりにとって、かなり現実的かつ深刻な問題となっているのだ。
ストレートネックを放置してはいけない理由
最初は軽い違和感がある程度でも、放っておくと深刻な問題につながるのがストレートネック。頭が前に出ると頸椎に大きな負担がかかり、重い頭を支えている首と背中上部の筋肉・腱・靭帯が過労状態になってしまう。その状態が長く続くと、筋肉のバランスが崩れたり、関節の変性、椎間板の膨隆や椎間板ヘルニアが生じたりする。「ストレートネックの長期的な影響には、首の慢性痛や頭痛、神経圧迫による腕の痛みなどがあります」とオコンネル医師。「また、普段の姿勢が悪いせいで、バランス感覚が低下することもあります」 頸椎のアラインメントは全身に影響を及ぼすため、ストレートネックの初期サインを無視していると、首周辺の痛みだけでは済まなくなる。「頭と首のバランスが崩れると、体の他の部位がそれを補わなければなりません」とオコンネル医師。「周囲の状況を見たり聞いたりするためには頭部を動かす必要があるので、体の他の部位が必死に働いて頭部を動かそうとします」。ストレートネックになると、首の自然なアラインメントが崩れて猫背になることもある。この猫背をあとになって矯正するのは非常に大変。頭が前に出た状態を放っておくと、頸部関節炎やインピンジメント症候群のような慢性的な問題につながる可能性が高い。 要するに、ストレートネックを放置すると、そのネガティブな影響が全身に波及しかねないということだ。でも、早いうちに芽を摘めば、いくつになっても良い姿勢を維持できるようになる。