「厚生年金と国民年金」の違い。一覧で目安受給額をチェック!【最新ニュースを追う】
年金の制度改正や検討項目
公的年金の改正として検討されてきた主な内容は、以下のとおりです。 ・国民年金の延長案 ・在職老齢年金の改正 ・遺族年金の改正 それぞれのポイントについて確認しましょう。 ●国民年金の延長案 国民年金保険料は、将来の年金制度を維持するために納付期間を5年間延長するか検討されてきました。 国民年金保険料は、自営業者や学生といった「第1号被保険者」が支払います。保険料の加入期間は、原則として20歳以上60歳未満です。 納付期間を5年延長する案が実施されたら、保険料は65歳まで支払う必要があります。 2024年度の納付額は月額1万6980円なので、もし納付期間が5年延長されたら、追加の保険料の負担総額は100万円を超えることになります。 今回は、国民の負担増への反発を懸念したため、2025年からの実施は先送りされました。 ただし今後の財政状況によっては、また納付期間の延長案が検討項目となる可能性もあります。 ●在職老齢年金の改正 在職老齢年金制度とは、仕事で働いた給与と厚生年金の合計額が50万円を超えると、年金が減額される制度です。 50万円を超えた場合、超えた金額の半分が支給停止となります。 年金の基本的月額が15万円、総報酬月額が40万円の場合で支給停止額を計算してみましょう。 ・支給停止額:(15万円+40万円-50万円)÷2=2万5000円 2万5000円が、厚生年金の受給額から減額されます。在職老齢年金は、50万円の上限額を緩和する案と、制度そのものを廃止する案が検討されています。 ●遺族年金の改正 会社員や公務員を対象にした遺族厚生年金の支給要件が、変更する方向で検討されています。変更が検討されている項目は「子どものいない配偶者の支給要件」です。 現行制度では、子どもがいない世帯の場合、夫と妻のどちらが亡くなったかで、遺族年金の支給期間が異なります。 ・30歳未満の妻:5年間のみ受給 ・30歳以上の妻:無期給付 ・55歳以上の夫:無期給付(60歳から支給スタート) 子がいない夫婦の場合、受給要件に男女差が存在しているといえます。 改正案では、子がいない夫婦のどちらかが亡くなった場合、遺族厚生年金は5年間のみの給付となります。 男女で支給内容に差がありましたが、改正案では男女差がなくなる見通しです。以上から、年金制度がどのように変わるのか、今後も引き続き注目が集まります。