【木暮ジャパン応援対談|西谷良介×渡邉知晃】「想定外が起きた時に、本来の自分の力が出る」|フットサル日本代表
アジアカップへ臨む後輩たちへ
──ここまで3大会を振り返ってきましたが、改めて、国を背負って戦う日本代表にはどんな気持ちで臨んでいましたか? 西谷 1試合の重み、というか。結果を残さないといけない責任を背負っている。勝てればすごくうれしいし安心するけど、負けた時には重くのしかかってくる。一言で言うのは難しいですね。 渡邉 もちろん責任は感じつつも、まずは選んでもらえていることに自信をもってプレーすることを考えてたかな。でも、試合に入場して国歌斉唱を聴く時は「国を背負って戦っているんだ」という感覚になりましたね。プレッシャーはありつつも、その場にいられる幸せのほうが大きかったです。 西谷 ほんと、トモは落ち着いてるな~。 渡邉 そんなこともないけどね(笑)。 ──アジア連覇とW杯出場が懸かった今大会は、2016年を戦った自分たちに重ねてしまうことも? 西谷 スタイルも選手も全く違うので、それはないですね。 渡邉 俺も重ねることはないかな。メディアにも出ているように、自力でW杯に出場したのは2012年が最後。木暮監督のインタビューを見ていると、「世界とアジアの戦いは別物」と言っていますし、それをしっかりと理解している監督が指揮を執って対策もしているので、2016年のことは、智貴にニブ(仁部屋和弘)に背負ってもらった上で、自分たちで出場権を勝ち取らないといけないプレッシャーに打ち勝ってほしいです。 西谷 そうだね。でも、W杯が懸かった大会の怖さを知っている選手がいるのといないとでは、全然違うよね。 渡邉 そうそう。一番の勝負どころは準々決勝。勝てばW杯が決まるし、負ければプレーオフの可能性という瀬戸際で、智貴たちが伝えられることはたくさんあると思うので、その存在は大きいと思います。 ──木暮監督が積み上げてきたチームについてはどう見ていますか? 西谷 あまり細かくは見れてないですけど、親善試合などを見る限り、世界の強豪を相手にボールを保持できる時間も長く、戦えている感覚を得られていると思います。 渡邉 本当に理にかなっているな、と。 ──どんなところですか? 渡邉 特にシステムの使い分けですね。今でも覚えていますけど、自分は一度、ブラジルと試合をした時にフィクソに突っ込まれて、吹き飛ばされたんですよ。でも、さすがにファウルでしょと思ったらノーファウルで(笑)。 身体能力の差を超えられない壁があるなかで、ピヴォとして前で張り続けるのは現実的ではないからこそ、4-0でプレス回避できればそのほうが効率的に前進できる。逆にアジアでは、3-1で長い時間張る可能性もあると思うので、臨機応変にやれているな、と。 ──注目している選手はいますか? 西谷 全員に注目していますけど、一人挙げたいのは、このタイミングで入ってきた甲斐(稜人)選手です。彼は僕が引退する少し前に名古屋に加入したのですが、その時に自分の将来について教えてもらって、「そこまで描いてるんだ」と感じたことを覚えています。そしてそれが着々と現実になってきたのはうれしいサプライズですね。あとはやっぱり、吉川選手と仁部屋選手には期待しています。思う存分、暴れてほしいし、W杯への気持ちは誰よりも強いはずですからね。 渡邉 智貴たちには言わずもがな頑張ってほしいよね。あとは、アスレで一緒にプレーした選手も楽しみですね。黒本(ギレルメ)、堤(優太)、新井(裕生)、(金澤)空ですね。若手の頃から見てきた彼らが活躍する姿にも期待したいと思います。