世界で最も稼ぐテニス選手、21歳のアルカラスが首位に ジョコビッチを下す
2003年にプロになって以来、四大大会のシングルスで歴代最多となる24勝を果たし、「史上最高」のテニスプレイヤーの1人となったノバク・ジョコビッチ。だが、「世界で最も稼ぐ」テニス選手のランキングでは、ロジャー・フェデラーが引退した翌年の2023年まで、首位に輝くことがなかった。 【画像】2024年「テニス選手長者番付」のトップ10選手 フォーブスが発表した2024年の「テニス選手長者番付」で、そのジョコビッチはわずか1年でトップの座を明け渡すこととなった。最新のランキングでは、過去12カ月で約4230万ドル(約61億円、税金・エージェント手数料込み)を稼いだ21歳のカルロス・アルカラスが1位。37歳のジョコビッチは再び2位となっている。 大会の賞金(コート内での収入)だけでみれば、ジョコビッチの年収は推定1220万ドル(約18億円)で、アルカラスを上回っている。だが、テニス界の関係者らは、コート外で優位に立つのは、すでに4度グランドスラムタイトルを獲得しているアルカラスだと確信している。 ナイキやロレックス、BMWと契約しているアルカラスが得るスポンサー料は、年間およそ3200万ドル(約46億円)。その場に登場するだけで100万ドルとも200万ドルともいわれる出演料を稼ぐイベントや展示会関連のスケジュールも過密だ。 一方、「世界で最も稼ぐテニス選手」の最新のランキングでトップ10に入った選手たちの年収の合計は、約2億4600万ドル(約355億円)。2020年に記録した史上最高額の3億4300万ドル(約495億円)から大幅に減少しているが(フェデラーとセレーナ・ウィリアムズの引退も大きく影響)、2023年の1億9600万ドル(約283億円)と比べれば、26%の増加となっている。 また、上位10人の平均年齢は今回、26歳となり(30代はジョコビッチとラファエル・ナダルのみ)、30歳をわずかに下回るだけだった前年から、さらに若返っている。今後のテニス界にとって、明るい兆しといえるだろう。 ランキングの上位10人の選手と、それぞれの推定年収を紹介する(かっこ内はコート外での収入)。 ■2024年「テニス選手長者番付」 1位:カルロス・アルカラス(21、スペイン)/4230万ドル(3200万ドル) 2位:ノバク・ジョコビッチ(37、セルビア)/3720万ドル(2500万ドル) 3位:ココ・ガウフ(20、米国)/2710万ドル(2000万ドル) 4位:イガ・シフィオンテク(23、ポーランド)/2670万ドル(1500万ドル) 5位:ヤニック・シナー(23、イタリア)/2660万ドル(1500万ドル) 6位:ラファエル・ナダル(38、スペイン)/2330万ドル(2300万ドル) 7位:ダニール・メドベージェフ(28、ロシア)/2030万ドル(1300万ドル) 8位:大坂なおみ(26、日本)/1460万ドル(1400万ドル) 9位:キャスパー・ルード(25、ノルウェー)/1390万ドル(1000万ドル) 10位:アリーナ・サバレンカ(26、ベラルーシ)/1370万ドル(700万ドル) ■調査方法 コート内での収入には、2023年の全米オープンから12カ月の間に得た賞金とオリンピックでのメダル獲得によるボーナスを含む。コート外での収入にはスポンサー料、出演料、ライセンス契約やグッズ販売による収入、関与するビジネスから得た利益などを含む(業界関係者への取材に基づく推計)。そのうち投資収益は利子・配当を含むが、株式の売却益は含めていない。また、税金やエージェント手数料は差し引いていない。
Brett Knight