<小新井涼のアニメ考>最終回 10年で大きく変わったアニメ界
週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴し、アニメを使った町おこしのアドバイザーなども務めるアニメコラムニストの小新井涼さんのコラム「小新井涼のアニメ考」が約10年の歴史に幕を閉じる。最終回の今回は10年間のアニメ界の流れと同コラムの歩みを振り返ってもらった。 【写真】クレヨンしんちゃん 声優交代が炎上しなかった理由
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2014年に開始し、毎月連載させていただいていたこのアニメコラムですが、今回で最終回を迎えることになりました。約10年強に渡り、アニメ関連の話題に触れてきた当コラム。最終回を機に、これまでの歩みや印象に残っている出来事などを、改めて振り返ってみたいと思います。いつもより自語りも多くなっておりますが、どうかお付き合いいただけましたら幸いです。
当コラムの歩みを振り返ると、連載開始からしばらくは、コスプレや2.5次元作品といった、当時はまだ今程一般的ではなかったアニメ関連の文化を、それらにあまり触れたことの無い人達にも向けて、自身の経験を基に紹介することが多かったように思います。これはアニメファンだけでなく、ポップカルチャー全般に興味のある幅広い読者層を持つ、MANTANWEBさんでの連載だからこそできた切り口でした。
その後、アニメを取り巻く世間の環境が大きく変わるとともに、コラムの方向性も変化していったのは、間違いなく2020年前後に生じた「鬼滅の刃」の社会的なブームやコロナ禍でのビデオ配信サービスの普及後のことです。実際にそれ以降は、あまり知られていないディープなアニメ文化を紹介するというよりも、次々と生じるアニメ関連の社会的な盛り上がりを解説することが増えていきました。
しかしそうした近年の社会現象というのも、何の前兆もなく突然生じるものではありません。解説を行う際には、当コラムで2010年代から継続的にアニメ関連の話題を観察してきたことによる積み重ねが、その要因や背景を考える上でもかなり活かされてきました。