走りと収納を備えたスーパースポーツ BMW 523dツーリング CARストーリー
最近は人気に衰えがみえるワゴンだが、スポーティーな走りと収納に優れる便利なクルマ。セダンは狭く、SUVは大きすぎるという人にはおススメだ。BMWのワゴンは、セダンにリアハッチをつけただけというお手軽仕様ではなく、専用のチューニングがなされた本格派で、セダンの発売から7カ月を経てのデビューという力の入れよう。BMWの中核をなす5シリーズのワゴン523dツーリングに試乗した。 【写真】5シリーズらしくレザーやウッドを多用した豪華なインテリア BMW「523d xドライブ ツーリング Mスポーツ」。長い車名にはクルマに関するさまざまな情報が記されている。 dはディーゼルエンジン、xドライブはインテリジェント4輪駆動システムを指す。ツーリングは日本でいうワゴンのこと。 BMWの中核をなすのが5シリーズで、Mスポーツは専用のホイールやサスペンションなど走りを強調して、人気の中心となる。 セダンに比べて荷室が広いのがツーリングの魅力。このクルマは570リッターを確保、後席をたためば1700リッターに達する。長く大きな荷物でも余裕で収納可能だ。 1972年発売のセダンは8代目となるが、1992年デビューのツーリングは、このモデルで6代目。ボディーサイズはセダンと同じ全長5060ミリ、全幅1900ミリで、長さが先代から110ミリアップした。 エンジンは2リッター4気筒ディーゼルターボで、最高出力197馬力に8速ATを組み合わせる。 スタートボタンを押してエンジン始動、車外にいるとディーゼルらしいガラガラ音が聞こえるが、運転席はほぼ無音に近い。遮音対策が万全なのだろう、ドアも日本車に比べると倍くらいの厚みがあるように感じる。 パワーはそこそこだが、足回りが上出来。硬すぎず柔らかすぎず、荒れた路面のゴツゴツ感をうまくいなしてマイルドに仕立て直してくれる。体に吸い付くようなシートと相まって、長距離のドライブも苦にならない。 最近のBMWはフロントのキドニーグリルのデザインが多様化している。5シリーズは、空気の取り入れ口はなく周囲がライトアップされるデザイン優先の仕上がり。個人的には、先代の横長メッシュタイプが好みだが…。 インテリアは、ラグジュアリーさとスポーティーさがうまく組み合わされている。前席を包むインタラクション・バーは、内蔵のアンビエントライトが華やかでオシャレなバーにいるようだ。