切って咲かせる バラの冬の剪定と誘引
はじめてバラを育てる人に向けて、バラとのつき合い方、季節ごとのお手入れをやさしく解説する『趣味の園芸』連載「教えて松尾さん! はじめてのバラ」。12月号のテーマは「切って咲かせる 冬の剪定と誘引」。今回は拡大版でお届けします。 冬はつる性のバラの剪定と誘引の適期です。松尾さんが景色をつくるバラとして特にオススメする「半つる性」のバラをモデルに、花いっぱいに咲かせる剪定と誘引のコツを解説。「みんなの趣味の園芸」で募集した、みなさんからのお悩みにもお答えしています。 ■連載より(一部抜粋)
強健な半つる性は迷ったら切る!
半つる性の剪定でまず覚えていただきたいのが、「遠慮なく切る」ことです。 バラは自然樹形でまとまりよく育つことはない植物です。あくまで人の手で剪定し、つる性なら誘引もして、樹形を整えてあげることが必須です。半つる性のバラはとても強健ですから、切りすぎて弱るようなことはあまりありません。 また、半つる性でよくある「株元からシュートが出ない」「上のほうでしか花が咲かない」といったお悩みも、剪定が足りないことが原因の場合も多いです。 バラは不要な枝が減ることで、新しいよい枝が出て、枝の世代交代をしながら生きていきます。「切るかどうか迷ったら切る!」くらいの気持ちで、積極的に枝を整理していきましょう。
なぜ冬に作業するの?
休眠期に剪定すると木への負担が少ないからです。 樹木の剪定のおおまかなセオリーとして、落葉樹は休眠中の冬に、常緑樹は生育最盛期を迎える前の春に切ると、木への負担が少なく、樹形を調整することができます。バラも落葉樹の一種ですので、冬季が剪定の適期です。 また、春はバラにとって一番美しく花を咲かせる季節です。冬の間に樹形を整えておき、春により美しい姿で開花を楽しむねらいもあります。 『趣味の園芸』2023年12月号 連載「教えて松尾さん!はじめてのバラ」より