2023年度の税収、過去最高 72兆円 企業好調で法人税6%増
財務省が3日発表した国の2023年度の一般会計決算で、税収が過去最高の72兆761億円(前年度比1・3%増)となった。4年連続で過去最高を更新した。70兆円の大台を超えるのは22年度に続き、2年連続。 【写真】家賃は90万……バブル期、日本一の高層マンションの眺望 法人税収は前年度比6・2%増の15兆8606億円に拡大した。バブル経済の影響が残る1991年度(16・6兆円)以来32年ぶりの高水準だった。円安や株高を背景に、大企業を中心に相次いだ好決算がけん引した。原材料費の高騰分を商品価格に転嫁し、収益改善を図る流れも税収増を後押ししたとみられる。 消費税は0・1%増の23兆923億円となり、22年度に続き過去最高を更新した。輸入品にかかる消費税収は減少したが、国内の堅調な消費が下支えした。所得税は2・1%減の22兆530億円。賃上げや株高により給与などからの税収は増加したものの、企業グループ内の配当に関する税制改正の影響で縮小した。 歳出に計上したものの、結果的に使わなかった「不用」の金額は6兆8910億円だった。このため、政府は9兆5000億円分の国債発行を取りやめる。不用の内訳は、物価高対策や賃上げ対応などの予備費(1兆5612億円)や年金特別会計への繰り入れ(1兆4518億円)、新型コロナウイルス対応費(5707億円)などだった。 税収が当初予想より増えたことなどで生じる決算剰余金は8517億円で、前年度(2兆6294億円)から大幅に減少した。政府は防衛力強化の財源として剰余金の半分を繰り入れる方針を掲げており、23年度分は約4200億円が充てられる見込みだ。剰余金は半分以上を借金である国債の償還に充てることが法律で定められている。【杉山雄飛】