「え、電車に轢かれたのに…」伝説の寿司職人『将太の寿司』大年寺三郎太の“調理以外”の「凄すぎエピソード」
1992年から『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載された、読むとお寿司が食べたくなる名作漫画『将太の寿司』(寺沢大介氏)には、個性豊かな寿司職人が登場する。 ■【画像】「なんと商品化まで!」売り切れ続出した「走る大年寺」■ 塩1粒の差を見抜く味覚の持ち主・佐治安人や、魚の鮮度を保つ針麻酔の使い手・切島傀など枚挙にいとまがないが、ずば抜けた個性を発揮しているのが「東北の竜」こと大年寺三郎太だ。 大年寺の個性は、なんといってもケタ外れの体力にあるだろう。筋骨隆々の肉体から繰り出される身体能力を披露するたび、キャラからも読者からも「ヤバすぎる」と恐れられる男である。 今回は、大年寺がその超人っぷりを遺憾なく発揮した“調理以外のエピソード”を紹介しよう。
■電車にひかれた翌日に完勝! 回復の秘訣は“休む”だけ
大年寺の超人エピソードを語るならば「新人寿司職人コンクール全国大会」3回戦での電車事故は外せない。 勝てば主人公の関口将太と勝負できる大事な試合を控えた大年寺。実力でいえば100%勝てる試合なのだが、相手が『将太の寿司』で何度も卑劣な妨害を仕掛けてきた「笹寿司」なのがまずかった。駅のホームで考え事をしていた大年寺は、笹寿司の刺客により線路内に突き落とされ、電車に轢かれてしまう。もはや寿司勝負でやることではない……。 大年寺は辛くも一命をとりとめたが、絶対安静の大怪我に。“優勝候補の大年寺もさすがに不戦敗か……”誰もがそう思ったが、本人の闘志はまるで衰えていなかった。 そして翌日の試合会場、そこには勝負に挑む大年寺の姿が! しかも体力と技術を必要とする「鮟鱇(あんこう)の吊るし切り」を傷だらけの体で敢行し、あん肝の握り寿司を仕上げる。そして審査員を大いに唸らせ、笹寿司をものともしない圧勝で見事4回戦へ駒を進めるのであった。 なぜ大年寺は人身事故の翌日に寿司勝負ができたのか? 答えは画期的な治療法……などではなく、“じっと休んでいただけ”。呼吸を整え、肉体の隅々まで血流を巡らせるイメージを持ち、じっと体力の回復に努めたのだ。 「そんなので治るわけないだろ!」とツッコミたいが、それが大年寺三郎太だからしょうがない。