3月閉園の遊園地に沿線住民が巨大感謝状 新型コロナで休園中も職員「励みになります」
3月末に閉園予定も新型コロナの影響で臨時休園中の大阪「みさき公園」
3月末に南海電鉄の運営撤退とともに閉園が決まっている「みさき公園」(大阪府岬町)。今月は63年の歴史を締めくくるイベントで最後の盛り上がりを見せるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で先月29日から臨時休園。休園期間は18日までとなっているが、その後の再開については「状況を見て判断」とされており、職員も苦悩の表情を浮かべる。しかし、そんな同園にこれまでの感謝を伝えようと、利用客の沿線住民の有志がお金を出し合い「巨大感謝状」を南海沿線に掲示。通勤途中の同園関係者らは「励みになります」と話し、新型コロナウイルス感染の終息と最後の営業を再開ができることを願う日々が続いている。 【映像】巨大感謝状を作る様子を収録した動画 世界最大級のプリンターでの印刷風景は迫力がある
1957年に開園、動物園と遊園地を併設。南海沿線の大阪や和歌山からの来園者も多い
みさき公園は1957年に開園。動物園と遊園地を併設しており、みさき公園駅のある南海本線沿線の大阪府内のファミリー層を中心に人気を集め、和歌山県からの来園者も多かった。 1989年度には年間来場者が72万人を記録したが、近年の年間来場者数減少が続き2017年度は約36万人に。長期にわたり営業損益の赤字が続いたため、今回の営業終了に至った。
最後のイベント準備も新型コロナの影響で休止中
この運営終了決定を受け、同園では2月29日から、63年の歴史を年表や写真などで振り返るパネル展をはじめ数多くのイベントを準備。しかし、新型コロナウイルスの影響で、臨時休園を余儀なくされた。 同園関係者は取材に対し「最後の最後でこのような事態となり残念でなりませんが。当園の状況を総合的に検討し判断しました。一刻も早く、新型コロナウイルスが終息に向かうことを願っております」と話してくれたが、その声からは悔しさが感じられた。
南海沿線に住む有志らが、お金を出し合い感謝状づくり
しかし、今月になり同園に1本の電話が。内容は「みさき公園へのこれまでの感謝を込めて、大きな感謝状を掲示したいんですが」というものだった。 その電話の相手は、同電鉄沿線沿いに本社を構える、株式会社八条(大阪府忠岡町)の社長、原宗一郎さん。再生エネルギーなど様々な事業を行う同社だが、社員の山本一弘さんの提案で、同園を愛する有志でお金を出し合い、巨大感謝状の制作に取り組んだ。