習近平「欧州外遊報道」に見る異変…彭麗媛夫人の“扱い”が「夫並み」「準主役級」になっているのは何を意味するのか
夫と同様に日々の行動を詳細に報道
先週5月5日から10日まで、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席が、フランス、セルビア、ハンガリーを歴訪した。コロナ禍を挟んで、5年ぶりのヨーロッパ外遊である。その間、CCTV(中国中央広播電視総台)は、日々のニュース時間枠を拡大して、習近平主席の連日の「雄姿」を、詳細に伝えた。 【写真】『進撃のガチ中華』出版記念インタビュー「中華料理の神髄とは何か?」 習近平主席が外遊に出たり、中国国内の視察に出たりした際に、その一挙手一投足を特別枠で伝えることは、この11年あまり、習慣となってきた。国家主席の晴れがましい活動ぶりを伝えることは、国威発揚に直結する。 だが一点だけ、今回のヨーロッパ歴訪が、いつもの習近平主席の外遊報道と異なることがあった。それは、同行者である彭麗媛(ほう・れいえん)夫人の「扱い」である。「本日、彭麗媛夫人は、〇〇の活動に参加しました……」と、夫と同様に日々の行動を、詳細に報道したのである。 例えば、5月7日の早朝に国営新華社通信が流した長文の記事の冒頭は、以下の通りである。 〈 現地時間の5月6日午前、国家主席習近平夫人で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)女児・女性教育特使の彭麗媛は、パリのユネスコ本部で、アズレ事務局長と会見した。これはアズレ事務局長が、彭麗媛特使の特使就任10周年を記念して、栄誉証書を授けるためだった。 彭麗媛特使が到着すると、ユネスコのアズレ事務局長は入口で、熱烈に迎えた。アズレ事務局長は彭麗媛特使を伴って、「中国・ユネスコ協力10年成果展」を参観した。 アズレ事務局長と会見した際、彭麗媛特使は簡単に、中国が女児と女性教育事業の方面で、新たな進展、特に「春のツボミ計画」が成果を挙げていることを紹介した。 「私が特使を務めてきた10年来、多くの国の学校を訪問してきました。そこで、ますます多くの女性たちが、教育によって運命を変え、幸福な生活を送っているのを見て、嬉しく思いました。 女児と女性の教育事業は、偉大な事業です。社会の進歩と人類共同の運命と関係があるのです。中国はユネスコと共に努力し、全世界の女児と女性の教育の推進に力を注いでいきます。そしてさらに多くの女性が、平等に教育を受ける権利を得られるよう助け、美しい未来を共に築いていきたいのです」…… 〉 CCTVの映像は、習主席が乗るのと同様の特製「紅旗」でユネスコ本部に現れるシーンから始まった。そして、薄ピンク色のスーツに身を包んだ彭麗媛夫人が、夫顔負けの堂々とした演説をぶっている様子を映し出した。