【梨田昌孝】投打噛み合わず岡田監督もサイン出しようがなかっただろう…そろそろ近本を戻すべき
<ヤクルト6-1阪神>◇29日◇神宮 阪神が喫したチーム6失点は、交流戦明けでは最多のビハインドになった。ただでさえ反発力を欠くだけに、投打の歯車が合わない1敗になった。 梨田 阪神が置かれた状況を考えたら、いきなり3点を失って、序盤から5点もリードされると、しゅんとなって、厳しい雰囲気に包まれる感じがした。ゲーム展開を考えると、監督もサインを出しようがなかっただろう。先発ピッチャーが大量失点を食らい、追いかけるにも、走者をためるしかないが、それがたまらなかった。 阪神先発・伊藤将にとっては、今季初のヤクルト戦だった。1回と3回に集中打を浴びてリードを許したが、そこには四死球とエラーが絡んだ。2回1/3を5失点(自責4)、3勝4敗で負け数が上回った。 梨田 キャッチャーからみると、この日の伊藤将の状態は非常にリードするのが難しかった。相手打者を打ち取ることのできる、軸になるボールが見いだせなかったからだ。ボールのキレを欠き、ファウルされるにしても、打者を崩してのファウルでなく、フルスイングされてのファウルで、粘られた末に打たれた。経験のある伊藤将なのに、1回は四球、3回は死球が“引き金”だから、点のとられ方がまずかった。 打線はヤクルト先発・奥川には5回をわずか2安打に抑えられた。5回の中野の適時打が唯一の得点だった。 梨田 奥川は勝ちはしたが、手放しで褒められる内容ではなかった。腕が下がってシュート回転していたし、捕手の中村がフォークを駆使し、なんとか持ちこたえた。阪神は2、3点とってもおかしくなかった。そろそろ近本をオーダーに戻すべきだろうね。また打てなさすぎるチームにあって、ヒットは出なかったが、途中出場した野口には将来性を感じたし、明るい材料と言えるよね。 【取材・構成=寺尾博和】