阪神「TORACO DAY」今年で11年目 進化の背景とは? タイガースを応援する女の子のためのお祭り
2014年から始まり、今年は17~19日・ヤクルト戦(甲子園)と8月20日・同戦(京セラ)で開催される「TORACODAY」(トラコデー)。阪神を応援する女性ファンの愛称「TORACO」は今ではすっかりなじみのある言葉になった。毎年恒例となったイベントの進化の背景に迫る。 【写真】照れながらも一生懸命踊る姿がカワイイ♥ ◇ ◇ 今年で11年目となる「TORACODAY」は毎年多くの女性ファンが集い、にぎわいを見せている。女性ファンを増やしたい、甲子園に対する行きづらいイメージや行ったことがない人にも足を運ぶきっかけにしてほしい、そんな思いから年に数日間行われるイベントは始まった。 今まではメインビジュアルに女性タレントや女の子のイラストなど“女性向け”の起用を行っていた。だが今年は選手を起用するという初めての試みに挑戦。きっかけは近年の「推し活」ブームだ。特定の選手を応援するために球場に足を運ぶファンが増えたことが、選手起用に踏み込むきっかけとなった。 イベントを担当する営業部の上村さんは「オフの姿で選手のいろんな表情を知ってほしい。普段グラウンドでは見られない笑顔を」とパネルやホームページも選手のおちゃめな表情や明るい色を使ったかわいらしい仕様に。コロナ明けということもあり、選手との記念撮影会を初めて行うのも今年ならではの特徴。「推し」と接近できる貴重な機会に、X(旧ツイッター)では「ダイエットしよう」「何着ようかな~」と心躍らせている声が上がっている。17日からは特別な“オフ姿”をモチーフにしたグッズの発売も考えているという。 普段は野球と縁のない人が阪神戦を観戦する入り口として、メインビジュアルとなる選手がTORACOダンスを踊る動画をアップ。TikTokでは1000万回再生を突破する反響の大きさで見事入り口としての役割を果たしている。選手の照れた姿が新鮮で親近感が湧くからこそNGなしで投稿しているのだ。 こだわりのもう一つのポイントとして、初めて球場を訪れる若年層の女性のマイナスイメージを払拭し甲子園で観戦することへのハードルを下げることも意識されている。インスタ映えするスイーツのように流行を取り入れたグルメを扱うなど、イベント感覚で野球観戦を楽しむ工夫を行っている。配布するグッズはすべての開催日で別の物にしており、連日訪れても球場で身に着けられるように配慮されている。他にもTORACO専用のホームページにも力を入れており、「私はあまり他のスポーツを知らなくて、観戦に行くってなったときに不安に思うことを書き出して」と上村さん自身の経験を生かし、球場への行き方や服装、座席の選び方や簡単なルールを分かりやすくポップなデザインで掲載。野球を知らない人でも安心して当日を迎えることができるよう入念に準備したのだという。 その年ごとの流行にちなんでリニューアルされており、女性限定の「TORACOシート」は販売から1日で即売する人気を博している「TORACODAY」。今年も普段とは違う“聖地の姿”に注目だ。(デイリースポーツ・和泉玲香)