「表現の自由」を盾にした根拠なき中傷、企業に深刻なダメージ…韓国で事例相次ぐ
【06月05日 KOREA WAVE】韓国で「表現の自由」を盾にした根拠のない中傷が企業に深刻なダメージを与えている。その弊害は匿名性が保障されるオンライン空間で特に深刻で、ブランドイメージと経営に致命的な損害を受ける事例が相次いでいる。 2017年夏、済州(チェジュ)の養豚農家が家畜の糞尿を不法投棄する事件があった。その後、全く関係のない地元のミネラルウォーター製造会社が「豚の糞」など口汚い表現を用いた非難にさらされた。同社の取水源は不法投棄の影響を何も受けていないことが証明されたが、ブランドイメージの毀損は甚大だった。 あるファッションビューティー企業は、一部消費者がネットで有害成分問題が取りざたしたことで、中傷コメントが集中した。同社は有害成分に関する事実はないのに謝罪文を載せ、事業を中断した。その後、正式に有害成分は出なかったと判定を受けたが、「有害」のレッテルを剝がすことはできず、事業開始から8カ月で該当のブランドを廃業した。 同社は社名を変更したが、中傷はいまだに続いているという。 弊害はオフラインでも。大企業の社屋周辺では年中デモ隊が拡声器で虚偽事実と嫌悪表現を垂れ流し、違法な垂れ幕とテントで市民の日常と企業活動を侵害している。自治体と警察は「表現の自由を抑圧する」として生ぬるい対応に終始している。 こうした状況を受け、表現の自由を尊重しながらも、事実の歪曲や嫌悪表現で他者への名誉毀損を防止するための社会的合意の形成が必要だという指摘が高まっている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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