今オフ補強戦線の行方 DeNA佐野も残留決定 元中日ビシエドの市場価値がますます「高まる理由」
今オフのFAで、去就が注目されていた一人、DeNA外野手の佐野恵太の残留が決まり、球団が11月12日、正式発表した。 【動画】スタジアムを熱狂させた待望の一発!ビシエドの今季1号ホームランを見る 佐野は2016年ドラフト9位で入団。プロ8年目となる今季は139試合に出場し打率「.273」、8本塁打、62打点の成績を残していた。球団を通じて「ドラフト会議で指名してくれた恩を活躍することで返せるのであればベイスターズのために活躍をしたい。その思いが変わることはありませんでした。ファンの皆さまと一緒に勝利を分かち合えるようチームの為に頑張っていきたいと思います!」とコメントした。 一方、今オフのFAで仮に宣言すれば、争奪戦が予想された佐野が残留となると他球団の補強戦略にも影響を与えそうだ。 相対的に市場価値が高まりそうなのは中日を退団した助っ人、ダヤン・ビシエドにもある。 先に全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ記者が自身のX(旧ツイッター)に「情報筋によると、少なくとも4つのNPBチームが交渉中だ」と伝えていたが、今回の佐野の残留によりさらに人気が高まることも予想される。 今季35歳シーズンとなったビシエドは開幕1軍入りを果たせず、1軍出場試合は15試合、本塁打は1本にとどまった。9シーズン在籍した中日からの退団が決まったが、本人は日本球界での現役続行を希望しているとされる。 近年は一定のゾーンを打てないこともクローズアップされているが、一発のある強打の一塁手を求める球団は複数上がる。また在籍9年で日本人選手扱いとなったことも、編成面では獲得しやすくなるメリットもある。18年には首位打者、最多安打のタイトルも獲得している。 追い風となっているのは今オフの状況にもある。外国人野手の去就で注目を集めていた日本ハムのフランミル・レイエスやDeNAのタイラー・オースティンなど実績のある助っ人野手の残留が確実となる中、日本の野球に対応力があり、真摯に野球に取り組む姿勢も高評価につながっている。 近年は巨人に在籍したグレゴリー・ポランコがロッテに移籍、またDeNAに在籍したネフタリ・ソトも同じくロッテとチームを替わることで、また新たな活躍を見せている例もある。 ビシエドの場合もDHが使えて、貧打にあえぐパ・リーグの球団や長打力を求めるセ・リーグ球団など、今季は打線形成に苦しむチームが多かった中、市場に出回る選手も少なくなったことで、争奪戦に拍車がかかりそうだ。 打撃の引き出しも多く働き場所さえ変われば、まだまだ活躍できるという球界内の見方もある。 引き続き、今オフのキーマンの一人として動向が注目されそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]