鹿児島県 早くも「ヤクシマツチトリモチ」 湯湾岳 Ⅹマスカラーに染める 2日最低気温 喜界11・9度まで下がる
奄美最高峰(標高694㍍)の湯湾岳では早くも「ヤクシマツチトリモチ」が開花、周辺をクリスマスカラーに染めている。2日の奄美地方は早朝冷え込み、喜界島では11・9度まで下がった。 撮影したのは西康範さん。「師走の声を聞くと同時に湯湾岳では早くも開花が見られる。まだ咲き始めで、これから多く観察できるのでは」。緑色のコケ、突き出たような丸々とした赤色の小花の開花は冬の訪れを告げる。 気象庁によると、2日の最低気温は、奄美地方にある8観測地点のうち、瀬戸内町古仁屋を除く7地点で今季最低に。最も低かった喜界島は「最も寒い時期を下回る」となり、前日差2・3度、平年差4・5度下がった。奄美市笠利も12・5度まで下がり、同名瀬が13・5度と続いた。最低気温が下がったことについて名瀬測候所は「冬の寒い空気が入り込み、夜間を含めて天気が快晴で放射冷却によるもの」と説明している。 『琉球弧・植物図鑑』(南方新社刊)によると、ツチトリモチ科のヤクシマツチトリモチは、県本土(大隅半島)・屋久島・種子島・奄美大島に分布。イスノキやクロバイなどの根に寄生する雄雌別株の寄主植物で、奄美のツチトリモチの寄生樹はイジュが多いとされている。