プレミア12優勝チームが台湾紙幣に 頼総統の支持率も急上昇 台湾有情
昨年11月に野球の国際大会「プレミア12」で台湾代表が初優勝した話題は、日本では旧聞に属するだろうが、台湾では余熱が続いている。頼清徳総統は元日に発表した新年談話の冒頭でこの話題に触れた。新たな500元(約2400円)札には代表チームがあしらわれる見通しだ。 快挙は台湾政治にも影響をもたらした。民間シンクタンクの台湾民意基金会が12月に実施した最新世論調査によると、頼氏への支持率は51・3%で不支持の35・3%を大きく上回った。11月の調査で支持率は不支持率43・0%をやや下回っていたが急上昇した。 基金会は支持率が「奇跡的に逆転」した要因としてまず台湾代表の優勝を挙げた。「社会に空前の愛台愛国ブームを巻き起こし、台湾アイデンティティーの巨大な力が台湾内部の政治状況を変えた」と分析した。 もちろん台湾の政治的分断は相変わらずだ。台湾の参加名義は他の国際大会と同様の「中華台北」だが、優勝を伝える各紙の1面大見出しは中国国民党寄りの新聞が「中華隊」、与党・民主進歩党寄りメディアは「台湾隊」と二分された。 ただ、優勝の熱狂は分断を超越する何かを予感させる。ネット上にはこんな声もあった。「常に台湾人民がこれだけ団結できれば、敵は侵攻しようとしないだろう」(西見由章)