現代のバイクにおけるバッテリーの役目とは?【豊富な種類があるがオススメは?話題のリチウムは?】
バッテリーの容量不足にどうやって対処する?
家庭で使う電気は、契約のA(アンペア数)が決まっている。大昔は電灯しか電気を使わなかったが、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの電化製品が増え、さらには電子レンジやエアコンも一般化。昔は一般家庭の契約アンペアは20~30Aほどだったが、現代では50~60Aも珍しくなく、時代やライフスタイルによって契約アンペアはどんどん大きくなっている。 適切なアンペアの変更をしていないと、たとえばエアコンを使用中にヘアドライヤーを使ったら一瞬電灯が暗くチラついたり、築年数が古いアパートなどでは契約アンペアが小さいため、ともすればブレーカーが落ちてしまうこともある。 じつはバイクも同じで、たとえばABSが作動した瞬間に点火プラグに供給する電圧がドロップする……という状況も少なくないという。もちろんそれでエンストするわけではないが、性能的にはトルクが減少するし、大きな負荷がかかるのでバッテリーそのものの寿命が短くなることにつながるのだ。 これら電気・電子装備の増加に対処するには、バッテリーの容量を増やすのが得策。とはいえ、この方法はバッテリーの大型化や重量増につながるため、スペースが限られ軽さを求められるバイクに適しているとはいえない……。
容量ではなく「特性」で対応するリチウムイオンバッテリー
そこで注目したいのが、リチウムバッテリーだ。スマートフォンやパソコン、アクションカメラなどの電池でもおなじみで、一括りでリチウムと呼びがちだが、バイク用はリチウムイオン・フェライトが主流となっている。 今回紹介するSHORAIのLiFePO4 Batteyは、従来の鉛バッテリーとなにが違うのか? それは先に述べたバイク用バッテリーならではの「充電と放電を同時に行う」使い方に極めて適した『急速充電&大量放電が得意』なところだ。 バッテリーは、「水槽」に例えると理解しやすい。リチウムイオンバッテリーは太いパイプでドンドン給水して(急速充電が得意)、大きな蛇口からザバーッと放水(大量放電が得意)するイメージ。エネルギー密度が高いため容量が小さくても大丈夫だ。 対する鉛バッテリーは細いパイプでチョロチョロ給水し(急速充電が苦手)、小さな蛇口から放水するイメージ。大電流を放出したり、多数の電気・電子装備に対応するには相応に大きな容量(大きく重い)が必要になる。 このため、SHORAIのリチウムイオンバッテリーなら容量を大きくしなくても電気・電子装備の増加に対応でき、電圧のドロップも起こしにくい。大量放電が得意だから、大排気量で高圧縮なエンジンのセルモーターをしっかり回せるし始動性も抜群だ。しかも自己放電率は鉛バッテリーの約1/7なので、しばらくバイクに乗らなくてもバッテリー上がりの心配も少ない。これらのリチウムイオンバッテリーの多くのメリットは、素材と構造の違いによるものだ。 このようにSHORAIのリチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーでは成し得ない多くのメリットを持つ。バッテリーも消耗品なので、交換する際の選択肢にリチウムイオンバッテリーを選んでみてはいかがだろうか? そして、交換の際は一度ノーマルバッテリーとSHORAIバッテリーを持ち比べてみよう。リチウムイオンバッテリーの性能のひとつである、軽さに驚くはずだ!
小川 勤