『ユイカ』が語る、SNSで注目を集めたことによる心境の変化、坂口有望からの影響
自分の中の弱い部分や思ってはいたけど言葉にして来なかった部分について書いてみようと思った
―では、ここからは、1stアルバム『紺色に憧れて』の収録曲について、何曲か詳しく聞かせてください。まずは、1曲目のタイトル曲「紺色に憧れて」について。 やっぱり、初めてのアルバムですし、私にとっては、これから先何が起こっても、一番大切なアルバムになると思っていたので、1曲目はすごく悩みました。自分の原点じゃないですけど、なんで音楽をやりたいと思ったのかを改めて考えて、憧れていたことを書こうと思って書きました。 ―決意表明みたいな曲だなとも受け取れましたが……。 アルバムを通して伝えたいことや、なぜこのアルバムが出来たのかということを、この曲の中で説明出来ているというか、伝えられているかなと思って、1曲目にしました。その後は、どういう曲順がいいか色々考えて、でも、自分1人では決められなかったので、マネジャーさんやスタッフさん達ともたくさん話して、『ユイカ』をずっとそばで見てくれていた方の意見も取り入れて、一番いい形になったんじゃないかなと思っています。 ―2曲目の「すないぱー。」も大切な楽曲ですよね? TikTokで曲を投稿した時に、「好きだから。」でも、実はそこまでは、いいね数が伸びてなくて、この曲でやっと10万いいねを超えるようになったんです。私にとっても、かなりこだわった作品で、アップテンポで元気になれる曲なので、さらにたくさんの人に聴いて欲しいと思っています。 ―次の3曲目の「わがまま。」は、少し雰囲気が変わりますね。歌い方も含め、可愛らしい曲です。 この曲は、遠距離恋愛をしているカップルについて書いた曲なんですけど、恥ずかしいんですが、実体験でして(笑)。それを綺麗な形にどう落とし込もうかなと思って、Aメロの部分が最初に出来て、TikTokに投稿したら、たくさんの人に聴いて頂けたので、そこに、どんどん自分の体験を加えながら書いた曲です。 ―5曲目の「恋をしているみたいなの」は、ABEMAのオリジナル恋愛番組『恋する♥週末ホームステイ』の挿入歌でしたが、番組で流れているのを見て、ご自身ではどんな感覚でしたか? もともと、番組はよく見ていたんですけど、曲を書く側の視点で見たことがなかったので、どういう曲がいいんだろうかと悩みました。ボーっと見ている人にも、歌詞が入ってくる感じがいいなと思って、すごくキャッチーな言葉ってわけじゃないんですけど、「恋をしているみたいなの」というフレーズを頭で2回続けて歌って、見ている人や聴いている人に届くようにと意識して書きました。 ―そして、8曲目の「嘘」では、雰囲気がガラッと変わります。とても強い曲調と歌い方が印象的です。 アルバムの中にこういう曲があったら、違った一面も見せられるんじゃないかなと思って、かっこいい曲を書きたいと思って作った曲です。今まで書いて来た曲は、ハッピーな感じが多かったので、自分の中の弱い部分や思ってはいたけど言葉にして来なかった部分について書いてみようと思って、それで完成した曲です。最初は、ちょっと攻撃的な歌詞だし、こんな曲を書いて良かったのだろうかと思っていたんですけど、改めて聴いてみると、自分でも、もっとこういう曲にも挑戦していきたいと思えたので、「嘘」がその1曲目になって、すごく良かったなと思っています。 ―ラストの曲の前には、「桜想」というバラードが来るわけですが、曲順含め、ここもこだわった部分ですか? バラードをアルバムの最後の方に持って来るというのは、自分でもやりたかったことなので、最後から2番目のこの位置に、持って来ました。ストリングス系の曲で言うと、「17さいのうた。」という曲もあるんですけど、その曲とはまた対象が違った曲なので、この曲にしかない味みたいなものがあるんじゃないかなと思っています。 ―そして、最後の1曲が「好きだから。」。やっぱり、1stアルバムの最後は、この曲と決めていたのですか? 色々なパターンがあって、代表曲を最初に持ってくる人もいれば、最後に持ってくる人もいると思ったんですけど、私的には、1曲目の「紺色に憧れて」で、こういう思いで音楽を始めたんだよ、今から私の曲を聴いてくださいという気持ちを込めたので、最後にこの曲を持ってくることで、やっぱり『ユイカ』ってこういう感じの人だよね、こういう曲を書く人だよね……と再確認してもらえたら良いかなと思って、最後を「好きだから。」にしました。