合同で水難救助訓練 連携強化へ手順を確認 奄美海保と名瀬消防署 鹿児島県奄美市
奄美海上保安部(大場伊佐大部長)と大島地区消防組合名瀬消防署(泊智仁消防署長)は30日、合同の水難救助訓練を鹿児島県奄美市の名瀬港新港地区で行った。海中への転落者を想定した救助訓練を実施。救助資機材の共有や技術の向上などで連携の強化が図られた。 合同訓練は2010年、両機関が締結した「水難事故の際の相互協力の覚書」の一環。コロナ禍による中断を挟んで4年ぶりに実施され、計37人が参加した。 時折雨が降る中で行われた訓練は、釣り人の海中への転落を想定。奄美海上保安部所属の巡視船「かいもん」が停泊する海上と、同港岸壁での陸上へそれぞれ引き上げる救助活動を展開した。 海上での救助訓練は、同保安部の海面救助員4人、古仁屋海上保安署・巡視艇いそなみ所属の潜水士2人、名瀬消防署員が実施。水上バイクによる要救助者の海上での搬送や、救助工作車による陸上への引き上げなど救助資機材の扱いを確認。合同での救助活動に必要な知識や技術を双方で高め合った。 訓練を終えて大場部長は「お互いの強み、装備の違いを知り、現場でより連携が図れるようになった。今後、マリンレジャーによる水難事故の増加が懸念される中、消防との連携はますます重要。奄美群島の各島で連携を強化していきたい」と総括した。 同保安部によると、今年1月から10月29日までに管内で発生した人身事故は19人。うち死者・行方不明者は9人となっている。