《年末に帰省したら》失敗しない“実家の片付け”7か条「親が元気なうちに始めるべし」
将来起こり得る親の介護や看取り、それにかかる費用、そして相続の心配。今は大きな不安がなくとも、年老いた親の健康や生活は常に気がかり……。そんな悩みを抱える人は多いはず。 【写真】親にどう言うと片付けてくれる? OKパターンとNGパターン
親が元気なうちのほうが始めるメリットが大きい
「でも、大丈夫!それらすべて“実家片づけ”を行うことで解決できます」 そう力強い言葉をくれるのは、片づけのプロとしてこれまで1500人以上の家の片づけを成功に導いてきた石阪京子さん。人生100年時代といわれる今、親も子も健康かつ幸せに生き抜くために、実家の片づけは欠かせないと話す。 「そうはいっても、親のことが気になり始める50代は、仕事や子育てなどで忙しい世代。実家のことが後回しになるのは仕方がありません。親が元気であればなおさら。 実家の整理は、親が亡くなってから、もしくは介護が始まるときに……とぼんやり考えている人も多いと思います。でも、親が自活できているうちに行うほうが、格段にメリットが大きいです」 石阪さんが「親の健康なうちに実家の片づけを!」と強くすすめる理由は大きく3つ。 1つ目は、お金の安心。 「急な入院や介護が必要になったとき、親が加入している保険も預金通帳などの場所もわからず、かかった費用をすべて出すことになったという人はすごく多いです。親の財産を把握するということではなく、片づけをきっかけに必要なものの“在り処”を共有しておくことでいざというときに慌てません」 また、親任せにしていたら、高価な貴金属類を不用品回収会社へ二束三文で売却していたという事例も。知らないうちに大損をしている可能性もある。 2つ目は、時間に余裕があること。日々の生活に追われている現在のほうが時間に余裕がないと感じるかもしれないが、必要に迫られてから片づけを行う際は、“いつまでに”というスケジュールの制約ができるため過酷さがアップする。 例えば親が亡くなった場合、10か月以内に相続税の手続きが必要となるので、それまでに必要書類をそろえるといった作業を終えなければならない。 「どこに何があるかわからず、仕事を休んで何度も帰省するハメになったという人も。親が賃貸住宅に住んでいた場合は、1日でも早く片づけて退去しなければ家賃を払い続けることになります。自分で片づけていては間に合わず、仕方なく業者に頼んだら何十万円もかかったという例もあります」