力石政法、LUSH緑ジムから大橋ジムに移籍 異例の2拠点体制で10月に移籍後初戦を予定
大橋ボクシングジムは2日、横浜市の同ジムで会見を開き、WBC、IBF世界スーパーフェザー級3位の力石政法(30)が同日付でLUSH緑ジムから大橋ジムに移籍したと発表した。 大橋ジムの大橋秀行会長(59)とともに会見に出席した力石は「伝統あるジムで、偉大な先輩方もたくさんいるジムで足を引っ張らないように。移籍を快諾してくれた(LUSH緑ジムの)松尾(敏郎)会長と受け入れてくださった大橋会長に、世界チャンピオンになって恩返しできるように頑張ります」と語った。 3月の前戦ではイタリア・ローマでWBC世界同級挑戦者決定戦に臨み、同級6位だったマイケル・マグネッシ(イタリア)に12回TKO勝ち。世界王座挑戦権を獲得し、マグネッシが保持していた日本未公認のWBCシルバー同級王座も手にした。2022年10月に元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(37)がプロモートするプロボクシング興行の「3150FIGHT」と専属プロモーション契約を結んだが、6月にマグネッシ戦をもって契約を解消したと発表した。 契約解消後に松尾会長から「お前の好きにしていいよ」と許可をもらい、力石が「世界チャンピオンになるためにと考えた結果、大橋ジムに移籍することが最良の選択だと思った。マッチメークの問題であったり、練習環境の問題であったり、そういった面で後悔したくない。日本で一番素晴らしい環境で悔いなく挑戦したいなっていう気持ちになった」と大橋ジム移籍を希望。6月に大橋会長と会って思いを伝え、移籍が決まった。 兄の前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(31)=LUSH緑=は「階級も階級だし、自分の最善の選択をしたらいいと思う」と移籍を後押ししたという。試合が決まれば試合の約2カ月前から大橋ジムを拠点に練習し、オフの期間は自宅のある名古屋市のLUSH緑ジムで練習する異例の2拠点体制を敷く。 10月に移籍後初戦を闘い、その次で世界初挑戦を狙う計画。担当は元日本スーパーフェザー級王者の岡田誠一トレーナー(42)と、2012年ロンドン五輪ウエルター級代表の鈴木康弘トレーナー(36)で、フィジカルトレーニングは元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナー(41)が指導する。 挑戦したいスーパーフェザー級の世界王者については「誰でもどこでも。一発で(世界王座を)取りたい」と強い決意を示した。
プロ戦績は力石が16戦15勝(10KO)1敗、マグネッシが25戦23勝(13KO)2敗、矢吹が20戦16勝(15KO)4敗。(尾﨑陽介)