有村昆が2024年映画のワースト5を発表「ミステリーとしては凡庸な、いちばんつまらない結末」
ワースト1位は…
●ワースト1位『スマホを落としただけななのに~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』 このシリーズ、最初のパート1はまだよかったんですよ。 主演が北川景子さんで、もはや大女優といえるキャリアなのに、本気の絶叫演技を見せてくれたりして、それが逆に新鮮でした。当時はスマホから個人情報を抜かれる恐怖とかを描いた作品はなかったし、設定的に目新しさもありました。 2作目の『囚われの殺人鬼』で、ちょっと雲行きが怪しくなってくるんですよ。天才的な頭脳を持つ猟奇殺人鬼とか、ハッカーとか、トラウマを抱えた刑事とかが出てきて、ライトノベルみたいなムードになってくるんです。 そして今回はその殺人鬼が脱獄して、因縁のある刑事が追いかけていくという展開になるんですけど、このドラマが非常につまらない。 まず殺人鬼が「次にこういう事件を起こして、こんなことをやってやる」と説明語りをするシーンがあって、実際にそのとおりに事件を起こすんです。それを警察側が追って、「やられた! ヤツの狙いはなんなんだ!」とか大慌てしている。 それが何度も繰り返されるので、観ている観客としては冷めまくるわけです。だって、事件の内容が全部わかってるし、「先を越された!」とか言ってるけど、犯人がそう仕向けて先回りしてるのも知ってるから、なんの驚きもない。 例えばシャーロック・ホームズや名探偵コナンのような推理モノなら、犯人や事件のあらましがわからない面白さがあるわけです。コロンボとか古畑任三郎だったらその逆で、犯人はわかってるけど、そのアリバイをどう崩していくかという部分に面白さがある。 犯人が事件を起こして、うわーやられたを繰り返すだけでは、なんのドキドキもない。もはや、わざとやっているのかもしれないですけど、だとしたら観客を舐めすぎですね。
ENTAME next編集部