マンション管理の悩み共有へ組合連携 修繕費用高騰、意見対立、高齢化… 浜松で会合「住民巻き込みたい」
マンション修繕費用の高騰、住民同士の意見対立、管理組合の高齢化-。浜松市内のマンション管理組合の役員らが「浜松市マンション管理組合連絡会」を設け、管理組合の運営の悩みを定期的に話し合っている。森本晋伍会長(54)=同市中央区=は「区分所有者が持ち回りで役員になって初めて自身の住むマンションの問題に直面する人は多い」と話す。 11月中旬、市内のマンション管理組合の役員や経験者ら8人が集まった。築40年以上のマンションの役員を務める男性は「長年のつけで修繕費の積み立てが少ないことが分かった。値上げを考えている」と打ち明け、各組合の状況を尋ねた。 連絡会の母体は2022年4月、「マンションは自分たちで守ろう」「管理会社に丸投げはしない」と有志が集まり、理事長会として発足した。マンション管理士を招いた勉強会も開いて参加組合を増やし、今夏に現在の名称になった。11組合で構成し、2カ月に一度のペースで会合を開催。設備の修繕や住民の無関心などさまざまな話題を扱う。 この日の会合では、遠州鉄道沿線に建つマンションの組合役員の女性が「機械式駐車場の存続か廃止を検討しているのに、総会への出席が数人しかいなかった」と相談。マンション管理組合の元理事長の森本会長たち役員経験者が、アンケートの実施や防災訓練などを通じてコミュニケーションを強化した体験を紹介しながら、住民の関心を高める方法を助言した。 森本会長は「活動を始めて2年半。情報交換しながら愚痴も話せる場になっている」と話す。今年3月に同区の高層マンション「ハイレジデンス浜松」の理事長に就いたばかりの笠井達司さん(34)は「他の組合の取り組みを参考にしながら住民が興味を持てる運営をしたい」と語った。 同連絡会への問い合わせは森本会長<電090(1625)9664>へ。 <メモ>静岡県によると、県内のマンションは約1900棟(2021年11月末時点)。このうち約300棟は築40年以上が経過し、マンション設備の老朽化に加え、住民の高齢化に伴う管理組合の担い手不足などが懸念されている。マンション管理を巡っては、管理状況を地方公共団体が認定する管理計画認定制度、一般社団法人マンション管理業協会(東京都)が評価する管理適正評価制度が22年4月に始まり、区分所有者の意識向上や資産価値の維持向上への活用が期待されている。
静岡新聞社