ダ・コスタのFEミサノ優勝剥奪が正式決定。レース後車検の失格を控訴裁判所が支持
フォーミュラE第6戦ミサノE-Prixでトップチェッカーを受けながら、レース後の車検で失格となったアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。所属チームであるポルシェはこの裁定に不服申し立てを行なったが、FIA国際控訴裁判所(ICA)はスチュワードの決定を支持した。 4月にミサノを初めて訪れたフォーミュラE。ダブルヘッダーの1戦目となる第6戦では、ダ・コスタが接戦を制してシーズン初優勝を挙げた。 しかしレース後、ダ・コスタのマシンのスロットルダンパーのセッティングが不適格であることが判明し、勝利が剥奪された。 この処分の直後、ポルシェは異議申し立てを行なう意向を表明。6月7日にはICAで審理が行なわれた。 ポルシェは、問題となったスロットルダンパーのスプリングは前世代マシンのGen2で使用されていたが、2022-23シーズンに新型マシンGen3が導入された際に、適合パーツが載せられた『Gen3 スパークカタログ』から特に強調されることなく削除されたモノだと説明した。 法定文書によれば、ポルシェは「以前から問題のスプリングを使用していたものの、車検でそれを指摘されたことはなく、レース直前にマシンがカタログ全体に準拠しているかを確認することは不可能であり、問題のスプリングの使用は競技面でのアドバンテージを与えていなかった」とも主張している。 しかしICAは「技術規則を順守する義務と、順守しなかった結果発生する責任は、あくまでも競技者にある」と指摘した。 また、ポルシェは過去1年半にわたって違法なパーツを使用していたにもかかわらず、2022-23年シーズン開幕後にFIAのテクニカルスタッフが問題となったスプリングをチェックし、その適合性を認めたという「いかなる証拠も提出していない」とICAは付け加えた。 また競技面でのアドバンテージがなかったという主張に対しては、「国際競技規則第1.3.3条に従い、マシンが適用される技術規則に準拠していないことが判明したとしても、性能上の優位性が得られなかったと主張することの弁護にならない」と付け加えられている。 ICAが異議申し立てを却下し、スチュワードの裁定を支持したことで、第6戦ミサノではダ・コスタが失格、日産のオリバー・ローランドの繰り上げ優勝が正式結果となった。 ダ・コスタはミサノ以来、ベルリンと上海で2勝をマークしているが、ポイントリーダーのニック・キャシディ(ジャガー)とは83ポイント差でランキング7番手。ポルシェはチームランキングでジャガーに73ポイント差をつけられて2番手となっている。
Stefan Mackley
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