【陸上】七種競技・萩原このか「身体の使い方見直し」念願の“タイトル”/東京選手権混成
◇東京選手権・混成競技(2024年4月13、14日/東京・駒沢陸上競技場) 日本グランプリシリーズのポイント対象大会となる東京選手権・混成競技が行われ、女子七種競技は萩原このか(デカキッズAC)が5435点で優勝。社会人ベストをマークし、念願の全国タイトルを手にした。 東京選手権・混成競技の上位成績をチェック 「全体的にアベレージが上がってきた」と振り返るように、3月に5266点を出した時から、100mハードルは0.3秒ほどタイムを縮める14秒64(+1.1)でスタートすると、得意の走高跳は1m70、砲丸投11m33まですべて上積み。200mは向かい風で25秒86(-0.7)だったが、2日目は「助走などいろいろ試してみた」という中でまとめてみせた。 ラストの800mは大学2年時以来の2分20秒切り。総合2位から熱田心(岡山陸協)を逆転して拳を握りしめた。 悲願のタイトルだった。地元・東京出身で、白梅学園高時代から七種競技のトップ選手だった。2年時には1つ上のヘンプヒル恵(現・アトレ)らに食らいついて2位。日本一を狙った3年目だったが、ケガで力を発揮できずに4位となり涙に暮れた。 東学大を卒業し、しばらくは「とらふぐ亭」に就職して競技を続けてきたが、昨年から環境を変え、「デカキッズAC」で子どもたちを教えながらトレーニング。混成競技の大切さを伝えつつ、クラウドファンディングで種目の魅力を伝えようと活動に勤しんでいる。 昨年から「技術的なところより、身体の使い方を見直して、身体をコントロールできるようになってきました」と好調の要因を話す。 26歳。2日間、走・跳・投を戦う過酷な種目で、小さな身体を目一杯使った気持ちあふれるパフォーマンスを見せてきた。 「本当に楽しい。だからこの年までやってるんです」。まずは自己ベストの5471点を超え、そして「5600、5700点と上げていきたい。日本選手権まであとひと頑張りします」と萩原。山﨑有紀(スズキ)、ヘンプヒル、大玉華鈴(日体大SMG横浜)の三強を崩す構えだ。
月陸編集部