「兵士は車いすの娘に犬をけしかけて笑った」 過去20年で最大規模のイスラエル軍事作戦、民間人も犠牲…パレスチナ人に広がる憎悪
7月8日に難民キャンプを視察した欧州連合(EU)のフォンブルクスドルフ駐パレスチナ代表は「犯罪者(武装勢力)を拘束するのが目的ならば、ほかの方法もあったはずだ。なぜ空爆や大規模な地上部隊の展開が必要だったのか。イスラエルは国際法を順守しなければならない」と語気を強めた。 国際刑事裁判所(ICC)ローマ規程など国際法は、軍事的利益と比較して、周囲の民間被害が過度になり得ることを認識しながら攻撃することを禁止している。国連のグテレス事務総長もこうした国際法を念頭に「過剰な実力行使だ」とイスラエルを非難した。 フォンブルクスドルフ氏ら外交官の視察を主催したUNRWAのレニ・ステンセス副事務局長は「キャンプでは物理的被害のほかに、戦闘に巻き込まれてトラウマを負った子どもが多く、心のケアが緊急に必要だ」と国際社会に支援を求める。 崩壊した道路を歩き、爆発で黒焦げになった住宅を見ながら、フォンブルクスドルフ氏はこう付け加えた。「ユダヤ人入植地の拡大をやめ、入植者の暴力を止めなければ、パレスチナ人の中から新たなテロリストが生まれるだけで、暴力の連鎖は止められない」
イスラエル軍がジェニンから撤収した翌日、ヨルダン川西岸の入植地付近でパレスチナ人がイスラエル兵を射殺した。犯人は治安当局が把握する武装勢力のメンバーではなかったという。